アフィニティ 平田氏
株式会社アフィニティ 取締役 教育事業部長 平田智義氏

単なる留学手続き代行ではなく、留学を通じて個々のキャリア形成を支援する包括的なサービスを提供している株式会社アフィニティ。同社の取締役で教育事業部長を務める平田智義氏は留学を通じて教育観やキャリア観を大きく変え、自身の未来を切り拓くきっかけを得た経験を持っています。今回は平田氏にその想いと取り組み、そして留学の本質や教育の本質について伺いました。

アメリカ留学で掴んだ人生の転機

福井県で生まれ育った平田氏は、高校時代に既存の教育システムへの疑問を抱き、中退という道を選んだ。閉塞感漂う環境からの脱却、そして未来への渇望を胸に、単身大阪へ。そこで出会った恩師の言葉が、彼の人生を大きく変えるきっかけとなる。英語が苦手だった平田氏は、得意な理数系の分野で進学できる大学を考えていた。そんな彼に、恩師はこう告げたのだ。

「自分が得意なところでしか勝負できない人間というのは、つまらない人間になる。本当に自分がやりたいことが見つからないなら、自分の苦手なことで勝負してきなさい。英語が苦手ならアメリカに行くか?」

恩師の問いかけに即答した平田氏は、渡米を決意。英検5級レベルの英語力からスタートしたアメリカでの生活は、困難の連続だった。

レベルが低すぎて、特別クラスを設けられ、他の生徒とは別に、先生とマンツーマンで授業を受けなければいけないほど。当然、英語が話せず、なかなか友人もできなかった。しかし、持ち前の行動力と努力で英語力を飛躍的に向上させ、アメリカのセントマーチンズ大学(Saint Martin’s University)に進学。

その成長ぶりは、後に恩師から「君の変身に脱帽。まさに青年は奇跡です。」という言葉をもらうほどだった。この言葉は、今でも平田氏の心に深く刻まれている。

留学が変えた教育の捉え方。個性を受け入れる文化の中で

アメリカの大学で平田氏は、それまでの日本の教育とは全く異なる環境に身を置く。多様な価値観、個性を尊重する文化、そして自由な学びのスタイル。これらの経験は、彼の教育観の礎を築いた。

特に印象的だったのは、プレゼンテーションの授業での出来事だ。英語力に自信がなくプレゼンが苦手だった平田氏に、大学の先生は「プレゼンが苦手なら自己表現を学ぶために演劇をやるのはどう?」とアドバイスをくれた。そのアドバイスがきっかけで、演劇や音楽の世界に触れることとなる。

平田氏自身、音楽は苦手だと思っていた。日本では5段階評価で2をつけられるほど評価をされていなかったからだ。しかし、ボイストレーニングの講師に高い音域の声を出せることを見出してもらい、コーラス部に入ることを勧められた。日本では評価されなかった自分の声で、コーラス部に入り、様々な舞台に立つ中で、自己表現の喜びと、自分自身が躍動できる感覚を初めて味わった。

これらの経験を通して、平田氏は「自分の個性や強みは、環境によって大きく変わる」ということを実感する。そして、一人ひとりの個性を尊重し、才能を最大限に引き出す教育の重要性を強く認識するようになる。

平田氏 留学時代
留学当時の写真。平田氏は海外留学を経て大きく成長することができた。(提供:アフィニティ)

教育への熱い想い。未来を担う子どもたちのために

平田氏は、日本の教育の画一的な価値観を押し付ける傾向や、世界は変化し続ける中で変化してこなかった教育現場に疑問を抱いている。日本の教育では個性を伸ばす視点が欠けていると感じ、グローバル化が進む現代において、国際的な視野を持った人材育成の必要性を訴える。

例えば、普通科高校のカリキュラムは大学進学を前提とした内容に偏っているため、多様な進路に対応できていないと指摘する。また、英語教育も依然として詰め込み型で、コミュニケーション能力の育成が不十分だと考えている。

平田氏が考える理想の教育とは、一人ひとりの個性や強みを発見し、それを伸ばしていける教育だ。そして、自身の長所を持って世界という広い舞台で挑戦できる力を育むこと。目先の目標にとらわれず、人生という長いスパンでキャリアプランを考えられるようにサポートしていくことが重要だと語る。

人生をかえる”きっかけ”を提供するアフィニティ

ー株式会社アフィニティで提供している価値を教えてください。

平田: 弊社は、留学サポートを事業の中心としていますが、単なる留学手続きの代行ではありません。留学前後のキャリアコンサルティングまでを含めた包括的なサポート、つまり留学を通して人生の可能性を広げるお手伝いをすることこそが弊社の提供する価値だと考えています。

アフィニティ 平田氏
自身も留学というきっかけがもとで人生の軸や目指すべき将来を見据えることができたと語る平田氏。人生を変えるきっかけとなる留学の機会を今は多くの方に提供している。

ー平田さんにとって「留学」とは?

平田: 留学とは、目的ではなく、なりたい自分になるための手段です。今、目の前にいる生徒の能力だけを見てアドバイスするのではなく、5年後、10年後の未来を想像し、その可能性を見出して導いていく。それが私たちの考える留学であり、教育のあり方です。

日本の留学は、語学研修やワーキングホリデーが主流で、大学留学はあまり多くありません。中国、インド、韓国と比較しても、日本の大学留学生の数は非常に少ないのが現状です。これは、日本人の内向き志向や英語教育の遅れ、そして留学に対する意識の低さ、グローバル社会でのキャリア形成に対する意識の低さが原因だと考えています。

多くの留学エージェントは、語学留学やワーキングホリデーの手配をメインとしており、旅行の延長線上のようなサービスを提供しています。しかし、本来留学とは教育の一環であるべきです。サービス業のままでは、生徒の人生に真に寄り添ったアドバイスはできません。

アフィニティ 平田氏

ー最適な留学を提供するための貴社の強みは何でしょうか?

平田: 弊社の強みは、2つあります。

1つ目は、生徒一人ひとりの将来の進路をしっかりと見据え、キャリアコンサルティングの視点を持ち合わせていることです。留学の知識だけでなく、人生という長いスパンで物事を考え、生徒の可能性を最大限に引き出すアドバイスを提供しています。

2つ目は、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど、各国の教育制度に精通した専門コンサルタント、IELTS指導のトップエキスパート、国家資格を持つキャリアコンサルタントが在籍していることです。

専門性の高い留学コンサルティングと英語指導を実施しており、2024年には『アジア最優秀エージェント』のファイナリスト5社にもノミネートされました。

ー実際に貴社の留学キャリアサポートの実例を教えてください。

平田: 様々なケースがありますが、一つ例を挙げると、アニメーションを学びたいという日本の高校生がいました。彼は日本で進学するか、海外の大学に進学するか迷っていましたが、最終的に勇気を持ってイギリスの芸術大学に進学しました。

日本はアニメーションのレベルが非常に高く、国内で専門学校に進学しても埋もれてしまう可能性がありました。しかし、世界基準で見れば彼の能力は高く、そこに英語での発信力を加えれば、大きなチャンスが生まれると考えたのです。日本語だけで発信できるマーケットは世界人口の2.6%ですが、英語を使えば30%以上に広がります。しかも、その多くは先進国のマーケットです。英語で発信できるようになれば、彼の希少性は格段に高まると考え、イギリスの芸術大学への進学を勧めました。

彼は大学で芸術を学ぶ傍ら、私たちの留学事前研修(グローバルキャリアセミナー)を受講して学んだ事を活かし、制作した作品をウェブサイトやSNSを活用し、英語で発信し続けました。その結果、「ひつじのショーン」のリチャード監督に認められ、インターンシップの機会を得ることができたのです。その後、彼はカナダのアニメーション会社に就職し、卒業後2年目には、彼の夢であったディズニープラスの映画制作に携わることになりました。

ー今後の貴社の取組みについて教えてください。

私たちは誰もが自分の将来にワクワクできる教育現場を目指し、海外の先進的な教育を日本の教育に取り入れるため、日本と海外の教育機関の国際協定を推進しています。中でも、アメリカ・カリフォルニア州のマーセッドカレッジ(Merced College)、イギリスのサセックス大学(University of Sussex)、マレーシアのパインヒルズ・インターナショナルスクール(Pine Hills International School)、UCYP(University College of Yayasan Pahang)など、様々な分野で国際教育をリードする教育機関と日本の教育機関(北海道から沖縄まで全国の高等学校、大学)との国際協定を進めています。将来の進路に向き合う大事な時期だからこそ、世界には多様な価値観があり、それぞれの個性を活かして活躍できる舞台がある事を身近に感じて欲しいと思っています。

読者へのメッセージ

ー最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

平田: 将来にワクワクしていない、という方は多いのではないでしょうか。それは、日本の教育の中だけの狭い価値観でものごとを判断しているからかもしれません。30人いたら4〜5人しか輝いていないように見える日本の教育現場。スポーツができる、勉強ができるといった一部の評価軸だけで判断されてしまう窮屈さ。

しかし、世界はもっと広いのです。外の世界を見ることで、様々な価値観や評価軸があることに気づけるはずです。皆さんが持っている個性や才能は、世界という広い舞台でこそ輝くギフトかもしれません。

5年後、10年後の未来を想像することは難しい。大人だってできていない。だからこそ、大切なのは、今、自分の将来にワクワクできるかどうか、だと思います。

留学は、皆さんの可能性を広げる大きなチャンスです。新しい価値観に触れ、自分の強みを見つけ、世界で活躍できる人材へと成長できる。そんな可能性に満ちた留学という選択肢があることを知ってほしいです。

アフィニティ 平田氏

◎プロフィール
平田 智義
株式会社アフィニティ 取締役 教育事業部長
アメリカで経営学、教育学を学ぶ。ブリティッシュカウンシル認定上級カウンセラーおよび国家資格キャリアコンサルタント資格を有し、これまでに7000名以上のカウンセリングを行った熱血カウンセラー。グローバル人材育成のキャリアカウンセリングもお任せください。

◎会社概要
会社名:株式会社 アフィニティ
住所:東京都渋谷区桜丘町3-2 渋谷サクラステージ SAKURAタワー7階
会社設立:2000年10月

※本記事はcokiに掲載しているこちらの記事からの転載です。