株式会社アバント|一生の晴れ舞台で、最高の美しさを引き出す。ウェディング写真を総合プロデュース
一生の晴れ舞台で、最高の美しさを引き出す。
株式会社アバント ウェディング写真を総合プロデュース
◆取材・文:加藤 俊/撮影:周 鉄鷹
結婚。それは新郎新婦にとって、一生に一度のメモリアルなイベント。その日、その瞬間、二人が迎えたひとつひとつの出来事を思い返すとき、写真は特別な存在になる。ここに、単身中国から来日し、その特別な瞬間をシャッターに収めることに情熱を捧げた女性がいる。周鉄鷹さん。写真の世界に魅了された彼女のストーリーを追った。
デザインから写真に転じた日
周鉄鷹さんが代表取締役を務めるのが、株式会社アバント。ウェディング写真をトータルにプロデュースする会社だ。
高い技術を持つフォトグラファー、ヘアメイクによる撮影はもちろんのこと、ロケーション選びの提案やコーディネートまで行っている。何を隠そう、経営者である周さん自身が会社の看板フォトグラファーだ。そのため、アバントには技術指導や待遇などフォトグラファーたちが働きやすい環境が整っている。
しかし、そんな周さんも最初からフォトグラファーを志していたわけではなかった。周さんのキャリアはグラフィックデザイナーから始まっている。魯迅美術学院、通称LAFAという中国の超難関校で、実に六百人に一人という狭き門をくぐり抜け、デザインを学んできた。その後、東京学芸大学大学院に進学するため来日する。
「大学院を卒業後、ビデオやスナップ撮影を請け負うムービー企画という会社に入り、デザイナーとして働きました。ところが人出が足りなくて、私も写真を撮るようになったんです。しかも、デザインと共通するものがあったため、それなりに通用してしまいました(笑い)」
そんな生活が暫く続いた後、転機が訪れた。
「長谷川敏雄先生というフォトグラファーの写真を見る機会があったんです。ものすごく感動しました。感動で震えて、一日中呆然としていたのを憶えています。被写体だけではなく、空気や光の流れまで計算されていて、まるで絵画のようでした。そのときから〝絵作り〟という写真の表現の幅の広さの虜になってしまったんです」
指名が増え、八芳園の仕事を獲得
その感動も冷めやらぬうちに、周さんは長谷川先生に弟子入りを志願した。厳しい指導として知られた師のもとで2年を過ごした。何せ写真にかける意欲と集中力はすさまじく、気が付くと「周さんに撮影してほしい」という指名が目立ってきた。師からも「私が君に教えられることはもう何もない」と言われ、免許皆伝となった。そんなある日、
「自分の撮った写真をブログにアップしていたら、結婚式場で有名な八芳園の担当者にオファーをもらったんです」
八芳園の仕事を受けるために、ムービー企画の時の盟友、寺尾公郊氏がアバントを立ち上げてくれた。そして、ウェディング写真の本格的なスタートを切ることとなった。その後、2012年には、周さんがアバントの代表取締役を受け継いでいる。
社長になり、3ブランドがスタート
周さんが写真を撮る時に最も大切にしていることは、お客さんの美しさを最大限に引き出してあげることだという。
「自分の作品を撮っているわけではありません。撮っているのは、芸術の前に商品なんです。お客様に喜んでもらうことが最優先で、芸術性はあくまでお客様の笑顔を引き出すためのものと考えています」
現在アバントでは、3つのブランドを展開している。古都・鎌倉で結婚写真を残したい人のための「縁 ─enishi─ 鎌倉ウェディング」、自由な発想でロケーションやシチュエーションの提案、手配もすべて行う「ma guise(マーガイズ)」、子供の中に眠っている個性を引き出すことをコンセプトにした、全身トータルコーディネート付きのロケーション撮影を行う「Otonacco(大人っ子)」だ。
「結婚をはじめ、人生には素敵な瞬間がたくさんあります。たとえどんなに月日が経っても、その写真を見るだけで当時の思い出が鮮やかに蘇り、特別な時間に戻ることができる。そんな写真をアバントでは提供しています」
最後に、今後の展望を訊いてみた。
「海外でロケーション撮影をプロデュースしていきたいです。撮影環境が日本より自由なので、より広くお客様の要望に応えることができるんです」
「カメラのバッテリーの入れ方も知らなかった」という周さん。今や彼女は、多くの人達を感動させる〝フォトグラファー〟、もとい〝画家〟になっている。
【gallery】
●縁 ─enishi─
●ma guise
●otonacco
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●周 鉄鷹(Thieyun Shu)氏
1998年、中国魯迅美術学院グラフィックデザイン専攻映像分野卒業。1998年7月に来日。東京学芸大学大学院グラフィックデザイン専攻卒業。
●株式会社アバント
〒248-0011
神奈川県鎌倉市扇ガ谷1-13-46
TEL 0467-39-5093
「縁 ─enishi─」 http://enishi-kamakura.jp
「ma guise」 http://maguise-net.com
「Otonacco」 http://www.facebook.com/otonacco
◆2013年9月号の記事より◆
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