学生と上手くコラボしている、観光分野を中心にした人材サービス会社アプリ社の販促品開発会議を直撃取材後編。

<前編はこちら>

学生による提案

 

─今日は、いよいよ学生がフィールドワークを終えて、それぞれ考えた販促品を提案する会議だ。巨大モニターを使って1人ずつ学生がプレゼンする準備を始めた。

 

アプリ:今日は皆さんの発表を心待ちにしていました。是非リラックスして発表をお願いします。本日のプレゼンですが1人10分の持ち時間。1人7分間を目処としてプレゼンをしてください。質疑応答を3分間行います。
それでは順番によろしくお願いします。

 

《慶応大学 Wさん》

突然ですが、みなさん、10代~30代で一番応援されたい芸能人は誰か知っていますか? 例えば、この方です。その彼をモチーフにしました。ご存知の方も多いと思いますが日めくりカレンダーです。中身はこのようになっていまして、彼の面白い写真とカレンダーとしては異例の120万部数を売り上げたと。

そこで私が今回提案したい販促品は、社員さんの写真が載っている日めくりカレンダーです。アプリの社員さんが応援してくれるカレンダー。実際に社員さんの写真を拝借してイメージの画像を作らせていただきました。

実際の中身としましては、シンプルなもの、ネタも挟んだギャグ系のもの、リラックスするための豆知識系のもの。これを考えるにいたった経緯をこれからご説明させていただきたいと思います。

今回提案するにあたって、参考にしたのは、私自身の経験、また、私のまわりにいるリゾートバイト経験者に聞いてみました。まず、リゾートバイトにくるような人がどのようなタイプに分かれるのかということで、4タイプに分類してみました──(以下、Wさんによるプレゼン/後略)

 

アプリ:質問というか、純粋にすごいなと思いました。通常のカレンダーと化していた今の販促品ではなく、スタッフさんが頑張る為の応援ができている印象ですごく良かったと感じました。しっかりとリゾートバイトへ行く人の分析をしているのがすごいと感じました。ありがとうございます。

 

《慶応大学 Aさん》

まず、初めにアイディアを3つ出して、リゾートバイト経験者にヒアリングを行いました。その中のどれがいいかと選んだものの答えは、目覚め時計です。新規登録見込みのスタッフさんへのアピールをするためには、リゾートバイト中に使うものが大事だということで、最終的に録音機能付き目覚まし時計を提案します。

これの強みは、最初から友達同士でお互いの声を入れて目覚ましにすると、毎日、疲れた時とか、関係が希薄になることもなく、一体感を持つことができる。最後に家に帰ってからも、リゾートバイトが終わりになってからも使える──(以下、Aさんによるプレゼン/後略)

 

アプリ:質問ではないんですけど、私の感じたことです。就業先によっては、出勤が5時半だったりすることもあり、携帯電話でアラームをかけても、なかなか起きられない方もいます。

その対策として、目覚まし時計を買うことを薦める時もあります。録音機能付きだったら、家に帰った後も、思い出として残せるので実用的にもいいかなと思いました。

 

《中央大学 Mさん》

僕が提案させていただくのは、チャレンジノートというもので、スケジュール帳のようなものです。どういったコンテンツかというと、手帳として使えるのはもちろん、目標の設定なども行える、ビジネス型のスケジュール帳。こちらを提案したいと思います。

内容は、まず世界地図があり、今後自分が訪れたい国などが視覚化されます。次に、リゾートバイトなどについてのFAQ。例えば、リゾートバイトやっていて困ってくることなどは、皆同じであることが多いです。且つ、そのリゾートバイトに来られる方の9割くらいが初めての方だったり、皆同じような疑問を持ちます。手帳の中に、そういった部分についてお答えするところが付いてれば良いと思いました。

で、具体的な提案内容といたしましては、目標を可視化できるような手帳を作成。なぜか? 目標を常に目にする。チャレンジしやすくなる。プラン立てをする。枠を作ってあげて、書きやすくしてあげる。

根拠となる統計データがありまして、スケジュール帳に書き込む内容を男女1000人に取ったアンケートがあります。20代から50代まで年齢層があって、さらに20代では約20%が目標や夢を記入している。30代から50代に比べて、20代が圧倒的に夢を手帳に記入している──(以下、Mさんによるプレゼン/後略)

 

アプリ:よく分析されていてすごいなと……後でデータをもう一度見たいと思いました。内容としては単純に良いなと思いました。特に目標を持ったスタッフさんが多く、to doリストを活用している方もいます。

ただ、スマホで管理している方も多いので、あえて手帳は不要かなと思いました。地図が結構良いなと。旅行好きな方も多く、世界地図だと行った場所の記録もしやすいし、良いと思います。ありがとうございます。

 

 

《拓殖大学 Cさん》

僕からは、ストレスリリーサー・グッズの提案です。今回、いきなりなんですけど、グッズのイメージ図をお見せします。こちらは、手を繋ぐ人で、アプリさんのリゾートバイト、世界でいろんな友達をつくって、自分のネットワークを広げるというイメージを提案にしました。

次に、スタッフさんはいろいろ海外に出たいと言っているので、それをサポートするイメージで、地球を描いて、つなぐチャレンジをPRします。さらに、こちらは単純にキャラクターのアプリレンジャーの活用。とりあえず、この3パターンです。

で、提案です。使いやすさや外観を重視しつつ、さりげなく入れること、あと、複数の機能をつけること。一応僕としては、まだ考え中なんですけど、ストレスリリーサーと電球をつける。友人およそ20人にリゾートバイトをするとどんな不安があるかを聞きました。すると人間関係のストレスが多い。そのうち7割以上の人がストレスリリーサーが欲しいと言っていました。

 

アプリ:握ると光るやつ? ちなみに流行ってる?

 

学生:そうですね、雑貨屋とか。結構女子高生の間で流行っています。

 

アプリ:へ~。ありがとうございます。

 

 

《近畿大学 西井香織さん》

私の提案は、『リゾート地でダイエット』となっています。タイトルは、お金も体も手に入れようとする女性の新規登録スタッフの獲得を狙って、今回考えました。現状のダイエットアプリの登録ユーザーでは女性が多いということがわかっています。マーケティング会社の調査によると女性の3人に2人がダイエットアプリを使用しているそうです。

で、その3人中2人が使っているダイエットアプリでは体重に関する機能を最も使っているらしくて、そこから書き込めたりします。今回提案する販促品内容が書き込み式のダイエットマニュアルカレンダーです。1日目、こういうことをして……というカレンダー。

今回、この提案になった理由として、他のリゾートバイトにない付加価値をつけるには?リゾート地に行きながらできることってなんだろう?と考えました。また、コストもあまりかからない形でするには? ヨガマット→マニュアル&カレンダー と検討していき、一体型カレンダーという企画にしました。ユーザーが自分だったら何が在ったらアプリを選ぶか?という観点も重視しました。そこで、ひかりちゃんという21歳の女性大生のペルソナを設定し、検討していきました──(以下、Nさんによるプレゼン/後略)

 

アプリ:女性誌さんとコラボしたりできますね!リゾート地でダイエットってあまりどこも使ってないフレーズだと思います。きれいな景色で、外で何か活動している風景とかのイメージがあればいいなと思いました! ありがとうございます。

 

《慶応大学 Sさん》

こういった差し入れって、しませんか? コスト削減を重視した、うまい棒のような。私は、ある結婚式場で働いているんですけれど、風船や大根といった差し入れをたまにいただきます。大根1本いただいても嬉しいんですけど、持って帰るのは実際大変。かたちだけの差し入れではだめで、職場で喜ばれる差し入れとはなんでしょう?

1つ1つ100円、120円で、人数配るとなると金額も増えるので、1人1個。全員で1つで済むようなものを考えました。大体1人1部屋においておけばいいものは何か。そこで注目したのが水分補給用のウォータージャグです。今のところ、水分補給は自分でやっていると以前お話いただきました。

では、今の現在の大学生は、アルバイトでどうやって水分補給しているのか? これがそのデータです。おおよそ50%は会社で冷水器やお茶を配っている。40%はお母さんが飲み物を準備するなど自腹。残りの8%はバイトしていない人。40%の人たちに、もし無料で飲めるお茶があったらどうですか?という質問をしました。そうすると60%が欲しいという回答でした──(以下、Sさんによるプレゼン/後略)

 

アプリ:夏に関わらず、水分補給には実際にお金がかかる。ペットボトル飲料を買うより、お金を貯めたいというのが心情で水分補給は課題です。

 

学生:ホントに目立つデザインとかにすれば、もし会社のほうにもありましたら、もう全部同じものを揃えますので、そのまま貼り付けるでいけます。

 

アプリ:いいと思います。ありがとうございます。

 

《青山学院大学 Kさん》

スタッフの皆さんに実際に使っていただきたいということで、今回はリゾートバイトの経験者4人にアンケートした調査をまずご紹介します。1日のうち、睡眠、食事を除いた他の自由時間を平均で約6時間と、結構大きめの数字がわかりました。また、同じ職場で働いているメンバーは3人~10人です。

ここで私が考えたのは、もしかしたらスタッフさんの中には、時間を持て余して暇だなと思っている人も多いのではと。家族や友達と離れて淋しい、他の部屋の同僚の人たちと仲良くなりたい。

そこで、思い切って提案させていただきます。株式会社アプリのオリジナルトランプ。スライドは私がデザインさせていただいたものです。つなぐチャレンジ、あとアプリレンジャーとかを入れたらもっとかわいくなる。

ではなぜ、今、トランプか? カードゲームの人気が日本玩具協会の調査では、29名に聞いたところ、人気の2番目がトランプ。しかし、トランプの保有数は、ゼロ、1の人が50%になっています。これに対して、旅行中、遊んだことがある人、遊びたい人が全体で100%。遊んだことはない、遊びたいと思ったこともないという人はゼロです。

さらに、トランプの遊び方で現在の学生が知っているのは、7~8通り。もし、遊び方がもっと広まればもっと使われます。そこで、トランプが良いと思っています。具体的な実行方法なのですが、渡す時は、スタッフさんが旅立つ時に、「他のスタッフさんと仲良くなってください」と渡す。

利用場面としては、まず最初にバイト先で、他のスタッフさんを巻き込む。トランプなので、ずっとカードを眺めているわけで、つなぐチャレンジなどについての会話も生まれると思います──(以下、Kさんによるプレゼン/後略)

 

アプリ:しっかりとストーリーができていてすごい。トランプにアプリ社員の写真も使えば面白いのかな。全然考えてなかったんですけど、すごい面白いと思います。

 

講 評

 

アプリ:今回ミッションを考えていただく中で、少しでもリゾートバイトであったり、弊社の事を考えていただけただけでも嬉しいです。勝手ながら評価をつけさせていただきましたが、1番、2番というのではなく、良い提案をしてくれた方ベスト3を発表します(3名の名前を読み上げる)。

アイディアの新鮮さであったり、どのくらい論理的にお話ができているのか、あとは事前の調査という部分を指標に選定をしました。もちろんベスト3の方以外の案も非常に斬新なアイディアがあったので、私共としても今後の参考にさせていただければと思います。ありがとうございました。

いろいろと迷いながらベスト3の方を選びました。分析をしていただき、リゾートバイトで働く方の想いや、プロフィールを作ってくれたのを見て、自分たちも初心に戻って考えられました。こちらこそありがとうございました。こちらで締めさせていただきます。

本日はどうもありがとうございました。

 

 

【企業情報】
会社名:株式会社アプリ(Apptli Inc.)
・コーポレートサイト https://apptli.co.jp/
・はたらくどっとこむ https://hataraku.com/
電話番号:03-6311-9833
代表取締役:庄子 潔
本社所在地:〒160-0022
東京都新宿区新宿3-1-22 NSOビル4F
従業員数:124名
年商:50.4億円(2016年度)