講師を務める中西氏

社員教育研修の専門会社、株式会社ディプレが行う「リーダーシップLab.(ラボ)」。

過去の合宿研修参加者へのフォローアップという位置づけのこの研修では、より具体的に「リーダーシップ」を実践できる人材の育成を目指している。

 

今回はその第4回の様子を報告する。

 

 

株式会社ディプレは2006年に中西誠代表取締役が創業した教育研修を主に行う会社だ。

特に合宿型の研修を中心にしており、富士吉田市の合宿所でのチームビルディング研修が有名で、現在までのべ7000人以上が受講し好評を得ている。

 

今回のレポートはその合宿参加者を対象に行っている「リーダーシップLab.(ラボ)」の第4回。

今回のテーマは「求められるリーダーの姿」だ。

 

 

不調に陥った時、どうすればよいか?

これまで3回行われた研修では「個人の中にリーダーシップを持つこと」「リーダーの役割と行動理念」「リーダーシップの種類」について語られてきた。

 

そして今回はグループディスカッションを中心として、参加者一人一人の中の「あるべきリーダーの姿」を出してもらい、そこから本当に求められるリーダー像の本質を見極めていこうという作業が行われた。

 

「それを考える前提として、まず『会社の課題・個人の課題を考える』ことはとても重要です。なぜなら、それが明確にならない限りやるべきことの方向性も目標も見えてこないからです」

その課題感は現場の人々こそ強く感じているはず、と中西代表は話す。

 

そこでまず参加者全員が自分たちの課題をイメージしつつ、リーダーのあるべき姿を話し合ってもらったところ、多様なその「姿」が浮かんできた。

 

「背中で見せる」「結果を出している」「責任を負える」「ブレない」「決断力」「部下を考えさせてくれる人」。

 

「それらのイメージは全て正しい。働くことは生きることと同じ、と考えれば、それはリーダーの生き方そのものとも言えます」

 

では、と中西代表は続ける。

「人生でも仕事でも、好調の時もあれば不調の時もある。人は上手く物事が進まなくなった時に、大きなストレスを感じます。そして、それを再び好調に戻すまでには多大なエネルギーと時間を要する。その戻し方を人は各々に持っているし、より早く戻せる人が優秀だと言えます」

 

リーダーとは、自らが率いるチームがもし不調の中にあったら、それをいち早く好調に戻すことができる人だし、好調の時にはより長くそれを維持する方法を知っている人とも言えます、と中西代表は言う。

 

「環境・状況が悪くなってきた時に、それを好転させる力。

それを心理学の言葉でレジリエンスと言います。困難に直面した時に、それを既に克服している人を頼ることも一つの方法でしょう。

それは個人の問題でも同じことです。より早く自分を回復させる力、レジリエンスを持つことは、自分の中のリーダーシップを持つ上で大切な要素です」

中西代表の言葉に、参加者たちが大きく頷いた。

 

 

「レジリエンス」を持つこと

「『レジリエンス』で実際に自分の場合だったらどうコントロールできれば良い状態を保てるか、考えるきっかけになった」(匿名女性)

 

「状況やモチベーションを上げる時間を早められるスキルや人間性を身に付けていくことが大切だと感じた」(株式会社ネタもと笹森仁氏)

 

「悪い状況で回復できる精神やマインドを持つということ。自分にもそれができてリーダーになれるのかと考えた」(匿名女性)

 

参加者たちがリーダーシップとは何なのか、そしてそれを実行することとは何なのか、を具体的に想像できた今回の研修だった。

 

 

●中西誠 

1976年、大阪府生まれ。

19歳の時に大阪でクラブ・ディスコを起業。

その後20歳の時に創業期の株式会社セントメディア(現株式会社ウィルグループ)に入社、営業として社内の初代MVPを獲得。社内の採用・教育担当として年間500人以上の研修に携わる。

2006年に退社、株式会社ディプレを創業。以後現職。

 

●株式会社ディプレ……東京都新宿区新宿1-9-4 中公ビル3F

URL:http://www.deple.jp/