企業のメディア露出をあらゆる角度からサポート 記事ネタを探す記者と記事ネタにしてほしい企業のマッチングサイト「ネタもと」の可能性 – 株式会社ネタもと
「製品の良ささえ伝われば売れる」「もっと会社に知名度があれば人材が集まる」とはわかっていても、製品の良さの伝え方、知名度の高め方がわからない。
そう悩む企業経営者は多いのではないだろうか。
そんな経営者の力になるべく、株式会社ネタもとが開発したのが、報道関係者に対し自社の情報を発信できるプラットホームに効果的なPRのノウハウを学べる勉強会、報道関係者の生の声を聴けるセミナーなどがセットになった世界初の総合PR活動支援サービス「ネタもと」だ。
サービスの特徴とその誕生背景、PR活動の必要性などについて同社代表取締役社長・本村衆氏に伺った。
PRの目的は良さを伝えること
日本では企業のPR活動というと広告と混同されがちだ。
しかし、本来の意味においては、広告とPR活動ではその内容は大きく異なる。
「広告」を英語にすると「advertising」であり、新製品やサービスなどを広く世間に知らせること。
つまりは、製品やサービスを提供する企業自身による宣伝で、テレビCMやFacebook広告、街中のディスプレイといろいろな手段はあるものの、広告枠を買って掲載してもらうのが基本だ。
枠を買いさえすればメディアや街頭に掲載され広く人々の目に留まることは確実だが、情報は企業発の自画自賛であるため、製品の存在や会社の存在をアピールすることはできても、情報の中身までは信頼してもらえないことも多い。
一方の「PR」は「Public Relations」を略したもので、その意味は、製品や企業の良さを社会の人に理解してもらい、信頼関係を築くためのコミュニケーションといった所。
具体的には、自社の製品やサービスがメディアに取り上げられたり、口コミで広まって話題になるような状況を作り出すための行動—例えば、メディアに向けて新製品のプレスリリースを送るといったことを指す。
記事化して広く報道してもらえれば、その情報は第三者であるメディア発なので信頼度が高い分、製品や会社の良さを社会にアピールするこの上ない武器になるのが特徴だ。
高度経済成長から1990年代半ばまでの日本は、需要に対してまだ物が少なく、およそ「質がよければ物は売れる時代」だった。
しかし、現代は物が溢れる時代。
たとえ良いものでも、その良さが相手に伝わり「これはいい!」と思ってもらえなければ購入にはつながらず、それだけに商品やサービスの良さ、会社の良さを、いかに人々に知ってもらうかが非常に重要になっている。
株式会社ネタもとの提供する「ネタもと」はそんな企業のPR活動、言い換えれば「報道関係者に向けた営業活動」を支援するまったく新しいサービスだ。
逆転の発想から生まれた新サービス「ネタもと」
もちろん、企業のPR活動支援を行うサービスは「ネタもと」だけではない。
にも関わらず、「ネタもと」が新しいサービスと言えるゆえんは、それが既存のサービスとはまったく違ったコンセプトで作られたものだからだ。
PR活動は自社で行うには限界があるため、独自のメディアとのつながりを持つPR会社に依頼するのが一般的だ。
しかしその場合にかかる費用はおよそ月額80〜150万円ほど。
それだけの宣伝広告費をかけてサービスを利用できるのはほぼ大手企業に限られており、それがPR会社の当たり前になっていた。
そこに風穴を開けたのが、2005年に株式会社リアライズ(株式会社ネタもとの前社名)の新規事業として、セールスプロモーション業界からPR業界に参入してきた本村氏の発想力だ。
本村氏は「後発の我々が、既存のPR会社さんと同じことをしていても意味がない」との考えから、高額でアナログな既存サービスの逆をいく、できる限り低価格でメディアに取り上げられる仕組みを模索。
そして、世界初のインターネット上の記者クラブサイト「プレスリリースプラットフォーム(PRP)」という新しいビジネスモデルが誕生した。
企業と報道関係者にWin-Winの関係を
PRPは簡単に言えば、メディアに売り出したい企業と、効率的に情報を得たいメディア関係者の情報マッチングサイトだ。
サイトを閲覧できるのは予め登録した報道関係者のみ。
企業はメディアに取り上げてほしい情報をサイトに自由に投稿でき、報道関係者たちはそれを見てニーズに合うものを記事化し、各種メディアに掲載する。
「訪日外国人向けの新サービスを行っている企業を取材したい」「働き方改革をしている企業を探したい」など、メディア側からのリクエストも届く仕組みになっており、企業側はリクエストに答えて自社の情報を提供することができる。
このサービスで利用料は月額8万円だ。
もちろん、サイト設立後すぐに人気が出るほどビジネスは甘くはない。
「サービス開始当初、営業にいった大手企業では〝リアライズというわけのわからない会社が、わけのわからないサービスを作ってきた〟と見なされてほぼ門前払い。
当時の企業広報担当者は長く広報をやっているという方が多く、メディア露出といえば、広報担当者とメディアの人との個人的にどれだけ仲良くしているかだと考えている人も多くて、すごく苦戦しました」と、本村氏は当時を振り返る。
ただ、めげずに営業を重ねる中で、ある大手外資系企業から「この仕組みはすばらしい、アメリカにもないモデルだ」との評価を得るなど、徐々に認めてくれる企業が出現。
大企業に加えて中小企業にも営業し、PRのノウハウを持たない中小企業のために、新製品のプレスリリースの書き方から既存製品をメディア露出するためのノウハウまで教えてくれるPR勉強会、直接報道関係者の話を聞けるメディアセミナー、企業経営者だけの交流会・経営者ビジネスマッチングなどのサポートサービスをセットにするなどの改良を加えながら、着実に利用者を増やしてきた。
2017年12月現在で、「ネタもと」には企業・団体累計1944社、報道関係者3580人が登録しており、企業のうち約7割が中小企業だ。
2018年3月には、報道関係者の声を取り入れてサイトを全面改装。
社長の思いや起業ストーリーなどを発信できる「企業探訪」コーナーの新設やプレスリリース以外の情報も公開が可能になるなどの改良が加えられ、サイト名も分かりやすく「企業にとってはネタの提供場所、報道関係者にとってはネタの発掘場所」というサイトの特性を端的に表す「ネタもと」になり、4月には社名も同じく「株式会社ネタもと」となった。
企業は経営戦略の中にPR戦略を持って
PRPの開設以来、「ネタもと」を通して企業のPR活動を支えてきた本村氏。
その経験を踏まえ中小企業の経営者にぜひ勧めたいのは、経営戦略の一要素としてPR戦略を持つことと、実践することだという。その理由は、PR活動で得られるプラスの効果を誰よりも知っているからだ。
「自社で扱われている製品は多くの人に知ってもらった方がいいですし、企業がメディアに出たり、社長がインタビューを受けたり、所属している社員の方がメディアに出たりすることは、人材採用に影響を与える企業ブランティングにもなります。
また、苦労して育てた社員が辞めてしまうことに悩む中小企業さんも多いと思うんですが、会社がメディアに出る、同期や同僚がメディアに出ると会社は盛り上がります。そうすると、離職率も少なからず減る傾向になると思うんですよね」
もちろんPR戦略を持ち、実践するためのサポートも抜かりない。
「例えば、多くの中小企業は新製品か新サービスが出る時ぐらいしかプレスリリースを出しませんが、よほど注目の商品でもない限り、メディアの目に留まることはまずありません。一方、3年前に出した商品でも、今インバウンド向けに売れていますとなると、インバウンド関連のネタを探しているメディアには注目してもらえる。そこがPRのポイントだと思います」
同社の勉強会やセミナーには、このような既存製品でもメディア露出を獲得するためのノウハウがたくさん詰まっており、企業のPR戦略策定・実践を手助けしてくれる。
メディアの情報検索のスタンダードをめざす
社名とサービス名を統一し、新たなスタートを切った同社の目標は、社のミッションである「すべての人にPRを」を広めていくことだ。
「経営者にPR戦略を持ってもらいたいのはもちろんですが、地方自治体が地域の魅力を発信したり、大学が研究成果を発表したりといった使い方でも、役に立っていければなと思っています。その理想の達成のためにも、会社自身の信用力・知名度を上げる上場は目指したい」と話す本村氏だが、さらにもう一段高い目標もある。
「これはなかなかですが、目指すは〝ぐるなび〟や〝食べログ〟のように、その分野の情報検索のスタンダードになること。
メディアの方が情報を探す時は、一度はネタもとを見に来ていただけるような、そんなサイトになれればと思っています」
グルメ検索の雄「ぐるなび」の創業は1996年だった。2005年生まれの「ネタもと」のこれからの活躍が楽しみだ。
◉本村衆(もとむら・あつむ)
東京都出身。1961年生まれ。
青山学院大学2年の時に起業、学生起業家として活躍し、セールスプロモーション事業を手がける。
卒業後、1981年にセールスプロモーション会社を設立。同社の経営を経て、2000年に株式会社リアライズ(現株式会社ネタもと)を設立し、代表取締役に就任。現在に至る。
◉株式会社ネタもと
〒107-0061
東京都港区北青山2-12-16 北青山吉川ビル4F
TEL:03-3401-7777
FAX:03-3401-7788