株式会社ジー・ティー・アンド・カンパニー – 海外出張を支える時差無関係のサポートサービス「夜中の2時でも気軽にどうぞ」
海外出張を支える時差無関係のサポートサービス「夜中の2時でも気軽にどうぞ」
海外業務渡航手配のプロ集団
株式会社ジー・ティー・アンド・カンパニー/代表取締役 作野正宏氏
「空港に着いたもののスーツケースが出てこない」
「ホテルの部屋のお湯が出ず、部屋替えを申し込んだら、満室だから無理だと言われた」など、
海外出張ではトラブルがつきもの。
問題解決に奔走して、仕事をする前から疲れてしまった……という経験は、出張の多いビジネスマンなら一度はあるのではないだろうか。
だが、業務渡航手配のプロフェッショナル集団・株式会社ジー・ティー・アンド・カンパニーの利用者なら、「そんな経験はない」と答えるかもしれない。
同社に手配を任せれば、渡航後の現地でのトラブルについても電話一本できめ細かなアドバイスが受けられるからだ。
「お客さんにとって最大のメリットは、金額だけじゃなく付加価値」という代表取締役・作野正宏氏に話を聞いた。
「海外で働きたい」から旅行業界へ
作野氏が旅行業界と出合ったのは、大学4年生の就職活動の時。「海外で仕事をしたい」と考えて、そのチャンスがありそうな仕事を探したことがきっかけだ。
海外支社や支店を持つ企業として、候補に浮かんだのは商社と旅行会社。
「旅行会社なら一番手っ取り早いし、将来は海外支店で働けるチャンスも出てくるだろう」との思いから旅行社に的をしぼり、1987年、当時業界9位だった大手旅行会社に入社した。
当時は、バブルの終わり頃~まだその余波が残っている時期。
仕事は溢れるほどあり、主に企業の出張などの渡航を扱う業務渡航部門や法人営業部門での仕事は、量・内容ともに特段不満はなく、「楽しく仕事をさせてもらっていた」と作野氏は当時を振り返る。
ただ、毎年提出する異動の希望で、アメリカや東南アジア、ヨーロッパなど海外支店への配属を願い続けたものの、6年経ってもチャンスは巡ってこないまま。
28歳の時には「海外には行けないし、会社の歯車というわけじゃないけれど、このまま働いていてもな……」とも考えるようになったという。
そんな迷いの中にあった作野氏に、ある日同じ会社の先輩が声を掛けてくる。
それは「旅行会社を作るから一緒にやらないか」との提案だった。
「旅行会社を作る」と言っても、その実質は個人事業主として会社とソリスター契約(業務委託契約)を結び、会社の机と電話だけを借りて完全歩合制で働くということで、旅行業界では一般的な働き方の一つだ。
将来を考えていたとはいえ、独立しようという気もなかったという作野氏だが「実力も試せるし、やってみるか」と、1993年に個人事業主として旗揚げを決意する。
「当時はまだ独身でしたし、大阪支店に勤めていたので近所には実家もある。もし食べられなくても、実家に帰ればご飯は食べさせてもらえるだろうという甘い考えもありました」というが、
実際にフタを開けてみれば、サラリーマン時代に築いた信用と、バブルが崩壊したとはいえまだまだ多かった需要に支えられ、ビジネスは思った以上に順調に発展。
1年後の1995年に、改めて1人で立ち上げた株式会社ジー・ティー・アンド・カンパニー(グリフィンツアー)は、23年目を迎えた現在では、東京・大阪にオフィスを構える旅行会社に成長した。
本社エントランス
業務渡航を中心に事業を展開
旅行会社の仕事といえば、真っ先に「ハワイ7日間」とか「真冬のカナダオーロラ観賞」などパッケージツアーの販売を思い浮かべる人は多いだろう。
しかし、海外旅行パッケージツアーの販売を行っているのは、実は全旅行会社のほんの一部。
中小旅行会社は、「国内旅行」「海外出張」「修学旅行」などそれぞれの得意分野を持ち、その分野を中心に旅行相談や旅行手配をメインにしている場合が多い。
株式会社ジー・ティー・アンド・カンパニーが得意とするのは、会社の海外出張や学会への参加などに伴う海外への渡航手配を行う「海外業務渡航」と呼ばれる分野。
レジャー旅行のように爆発的に仕事が増えることもないが、急になくなることもないという特徴があり、2001年のアメリカ同時多発テロの影響で渡航者が激減した時も、1~2カ月で再びほぼ元の水準に戻った。
現在、同社の顧客は約70%が法人であり、個別の手配も受け付けてはいるものの、数は少なくなっている。
差別化のポイントは「顧客との近さ」
同社のフィールドである海外業務渡航は当然、大手旅行会社も手がけている。
それら大手のサービスと差別化し顧客に選ばれるために、一体どんな工夫を行っているのか?
この点について作野氏の答えは、第一には「お客さんと距離を近くして接すること」だという。
「うちにはどんな特徴があるのか、うちと取引きをすることでどんなメリットがあるのかですが、
お客さんにまず伝えるのは、金額的なことを言えば、もちろんお安くはさせてもらいますが10万円のものが5万円にはならないということです。
価格競争をする気はないですし、うちのウリはそこじゃありません。
じゃあ値引きより何を大事にしているのかというと、個々の事情に合わせたサポートという付加価値をつけること。
それは、お客さんにとって大きなメリットだと思うんです」
海外渡航に慣れた人でも、現地でホテルが取れていなかった、飛行機が遅れて乗り継ぎに失敗した、盗難にあったなど、
海外に渡航してから予期せぬトラブルに見舞われ、旅行会社に相談したくなる場面は意外と多いものだ。
けれど、現地と日本では時差があるため、渡航先ではお昼でも日本は既に真夜中ということも珍しくない。
しかし顧客には自分の携帯番号も教えているという作野氏は「そんな場合でも、いつでも電話を掛けてもらってかまいません」という。
「寝ている時間もあるので24時間とは言いませんが、20時間ぐらいは電話に出ますし、もし出られなくても30分~1時間以内で折り返しをさせていただきます」
対応内容はケースバイケースで、例えば乗り継ぎに失敗してスケジュールの修正が必要なら、「次の○○便を使ってこのように行ってください」とアドバイスする、
盗難にあった顧客が保険に入っているなら、警察に行って盗難届けを出すこと、それを日本に帰ってきてから保険請求を行うなどノウハウを伝える……等々、その人が必要としているものばかりだ。
また、海外でのトラブル解決には交渉力が欠かせないが、作野氏はもちろんほかのスタッフも10年以上の勤務経験を持つベテランが中心。
交渉についてもきちんと力のある人材を揃えているのも、サポートを重視する同社の大きな特徴だ。
そのため、たとえ旅行者本人に問題解決のために動く力があったとしても、同社からも働きかけてもらうことで、部屋替えがスムーズにいったり、行方不明になっていたスーツケースが早く見つかったりすることも少なくない。
「〝大手旅行社のカウンターの女性が、そんなところまでしてくれますか?〟ということです。
普通に航空券を手配していってらっしゃいというのは、ある意味誰でもできる仕事だし、そこで特色を出すのは難しい。
けれど、当社に対して〝他と違って付加価値が高く、もし何かあったらサポートが受けられるのがいい〟というお客さんはいらっしゃるし、私どものウリはそこなんです」
顧客からの電話でサポートを行ったとしても追加料金はかからない。その「安心感」は、大手が簡単には真似できない同社ならではの魅力だ。
ベテランスタッフがきめ細やかなサポートを行う
時間の節約も大きなメリット
一方で、中小旅行会社がサービスを差別化しなければいけない相手は、今や大手旅行会社だけではない。
インターネットには海外格安航空券を販売するサイトが無数にあるし、航空会社のホームページでは直接航空券を購入できる。
また旅行サイトを使えば、個人でも簡単に海外のホテルを予約することが可能だからだ。
だが作野氏によると、業務渡航の手配に旅行会社を利用する人の数は、ネット社会になる前と比べてもさほど大きな変化はないという。
レジャー旅行では個人で手配をする人が増えているのに、業務渡航ではなぜそうならないのか?
それはやはり、仕事として出張する場合、「総合的に旅行会社に頼んだ方がメリットが大きい」と考える人が多いからではないかという。
「個人で予約を取る場合に最も避けたいのは航空券やホテルの手配ミスですが、私たちに任せてもらえればそんな心配は必要ありません。
また、たとえ自分で手配した方が1000円や2000円安かったとしても、仕事の時間を30分、1時間と削って調べる手間を考えれば、
5分ほどの電話で要望を伝え、ぴったりの便やホテルを探してもらう方が合理的でしょう。
中には〝旅行社に任せると手数料の分高くなりそう〟というイメージをお持ちの方もいますが、
旅行社だけの専門サイトや航空会社と直結の端末、不特定多数には販売できないけれど顧客にだけ販売を許可された航空券の枠などもあるので、旅行社を通した方が安くなることもよくあるんです。
実際の例では、大阪⇔タイ間20万円の航空券が12万円になったケースもありました」
金額だけでは図れない価値を提供し続ける。
この企業の原則を貫き続ける同社の姿勢は、これからの旅行業界を生き抜くカギだともいえそうだ。
●プロフィール
作野正宏(さくの・まさひろ)氏…1967年3月、兵庫県神戸市生まれ。小学校で大阪に引っ越し、以後は大阪で育つ。1987年に近畿大学を卒業し、大手旅行代理店に入社。1993年、28歳でまず個人事業主として独立し、翌1995年には株式会社ジー・ティー・アンド・カンパニーを設立。以後現在に至るまで、法人の業務渡航を手がけ、企業の海外活動の足元を支える。
●株式会社ジー・ティー・アンド・カンパニー
〈大阪オフィス〉
〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場2-10-30 豊城ビル8F
TEL 06-6282-4433 FAX 06-6282-4446
〈東京法人オフィス〉
〒104-0061 東京都中央区銀座1-24-5 東ビル3F
TEL 03-5524-8841 FAX 03-5524-8842
◆2017年3月号の記事より◆
WEBでは公開されていない記事や情報満載の雑誌版は毎号500円!
▸雑誌版の購入はこちらから