オビ 企業物語1 (2)

【サポートする企業】

企業の海外進出をソフト・ハード両面でオールラウンドにサポート!

◆取材:富樫のぞみ/文:五十川正紘

世界102カ国で取扱商品70万点以上の実績を誇る、その秘訣とは?

 

ジャパンコンサルティング株式会社_佐藤亘ジャパンコンサルティング株式会社/代表取締役 佐藤亘

ジャパンコンサルティング株式会社は、企業の海外Web販売・販路開拓に必要なマーケティングや業務を包括的にサポートし、その海外進出を支援しているベンチャー企業だ。そして、2009年の設立以来、世界102カ国で取扱商品70万点以上の実績を誇る。ベンチャー企業でありながら、その広範囲に渡るグローバルな実績を支えてきた同社の取り組みについて、同社代表取締役の佐藤亘氏にうかがった。

 

 

 

 

 

強みは「海外Webマーケティング」

―何を強みに事業展開しているのか?

 

当社は、Webマーケティングに関する豊富なノウハウ・知見を強みに事業展開をしています。Webマーケティングの利点は、アクセス解析などを通して、比較的簡単にビジネスに必要な情報を具体的な数値として収集・分析できることです。

 

実際、当社では、今までに蓄積された海外ビジネスに関わるWeb関連データを収集・分析できるシステムを活用して、クライアント企業が実際に海外進出した場合の販売件数や売上のシミュレーションを行い、具体的かつ詳細な戦略をご提案しています。

 

例えば、越境EC支援を行う場合は、Amazon、eBayなどのネット上のマーケットプレイスでクライアント企業と同じような商品を扱う、競合EC店舗の販売件数・売上や、その詳細内容などのデータを収集・分析し、クライアント企業のビジネス実態を鑑みて、販売件数・売上の最適な目標値をシミュレーションします。

 

また、その他にも、各種ネット上のマーケットプレイス内でクライアント企業のEC店舗や商品を検索上位表示させるSEO対策、リスティング広告、ソーシャルメディア運用、メールマーケティングなど、各種Webマーケティング施策を実施しています。

 

なお、当社では、越境EC支援を行う場合、こうした海外Webマーケティングを強みに、海外向けECサイトの制作・運用・在庫管理・配送・決済・カスタマーサポートまで、ワンストップでサポートしています。

 

 

ソフト・ハード両面で企業の海外進出をサポート

―マーケティングがしっかりできることが、御社の強みだと分かった。逆に、同業他社はマーケティングの部分が弱い、ということか? また、そうであれば、御社と同業他社で、なぜそのような違いがあるのか?

 

昨今の国内インバウンド市場の盛り上がりを背景に、企業の越境EC展開などを支援する同業他社がどんどん増えていますが、私たちの業界の企業の多くは、だいたい、次の3パターンに分けられます。

 

◉パターン1/外国語対応を強みとする翻訳会社が、国内のWebエンジニア・クリエイターを使って、クライアント企業の海外向けサイトを制作する。

◉パターン2/Webサイト制作会社が、外国語対応ができる国内の翻訳ライターを使って、クライアント企業の海外向けサイトを制作する。

◉パターン3/Webマーケティング企業が、そのノウハウを活かし、海外向けサイト制作を含め、クライアント企業の海外Webマーケティングを支援する。

 

当社は、このうち、パターン3にあたります。そして、このような3つの企業パターンがあることから、「企業によって強みが違う」という方が正確かと思います。つまり、パターン1の企業の強みはコピーライティング、パターン2の企業の強みはWebサイト制作だと言えます。

 

そして、同業他社との大きな違いとしては、海外向けサイト制作に特化するのではなく、ソフト面もハード面も含めて包括的に企業の海外進出をサポートしていることです。

 

つまり、クライアント企業の海外向けサイトを制作しておしまい……ではなく、当社は、クライアント企業の海外進出後も見据え、その現地でのマーケティング体制や販売体制の構築のサポートも行い、その海外事業が長期に渡って利益を出し続けられるように、あらゆる支援を行っています。具体的には、海外向けサイト制作や海外Webマーケティングのほか、販売代理店や仕入先などの現地パートナーの開拓、現地でのメディア発信などの広報、それら全てを包括的に支援・代行する海外新規事業開発などを行っています。

 

海外向けECサイトは、昨今の国内インバウンド市場の盛り上がりや、2020年の東京五輪の開催を背景に注目を集め、「越境EC」というキーワードで語られるようになりました。そして、当社はそれ以前から、海外向けサイト制作のみならず、ソフト・ハード両面でオールラウンドに企業の海外進出をサポートしてきました。

 

 

「B to C」と「B to B」、両方に対応できるのも特徴

―その他に、同業他社との違いはあるか?

 

その他の違いとしては、BtoC企業についても、BtoB企業についても、その海外進出支援に対応できるところです。同業他社の多くは、BtoC企業向け、あるいは、BtoB企業向け、どちらかに特化しています。

 

そのような企業の業態の違いを問わず、当社が企業の海外進出を支援できるのも、今までご紹介した通り、海外Webマーケティング、海外向けECサイトの制作・運用・在庫管理・配送・決済・カスタマーサポートまでのワンストップサービス、現地パートナーの開拓、現地での広報など、ソフト・ハード両面でオールラウンドに企業の海外進出をサポートできるからです。

 

 

現地でのコネクションづくりが大切

―なぜ、海外Webマーケティングなどのソフト面だけではなく、ハード面も含めて企業の海外進出をサポートできるのか?

 

それは、世界各国・地域において、現地でのコネクションづくりをしっかりやっているからです。当社の海外におけるコネクションづくりは、以前、自社で国内大手携帯電話会社が扱う、国内メーカー製の携帯電話を海外に販売していた頃まで遡ります。当時の販売先は、アメリカ、ロシア、スペインなどの欧米を中心に、世界各地に及びました。それら各国での実際の販売は、パートナーシップを結んだ現地の代理店を通して行っていました。

 

裏を返せば、現地でのコネクションづくりができなければ、海外進出を成功させるのは難しいでしょう。国内インバウンド市場の盛り上がりを支えているのが訪日中国人ということもあり、中国を始め、アジア圏向けの越境ECがブームになっている感がありますが、現地でのコネクションづくりができていないことが原因で失敗している他社事例も多いです。

 

現地でのコネクションがないと、現地でしっかりとしたマーケティング体制や販売体制を確立することはできません。アジア圏に限らず、欧米などの他の国・地域の場合についても、たとえ海外向けECサイトを起ち上げたとしても、その現地でしっかりとしたマーケティング体制や販売体制を確立できなければ、長続きせず、撤退の憂き目に合い、利益を上げるどころか、かえって損失を被りかねません。

 

そして、「現地でのマーケティング体制や販売体制の確立」という点に関しては、先ほど、私たちの業界の企業は3パターンに分類されるとご紹介しましたが、その中でもパターン1、パターン2の企業が不得意とする部分だと思います。

 

また、当社は、世界40カ国300名以上の現地のネイティブスタッフによる独自ネットワークを構築しており、彼らや彼女らとのつながりも、当社の今までの実績を支えてきた、大切な現地でのコネクションです。

 

そして、この世界各地のスタッフたちとのコネクションを活かし、当社は、世界各国・地域の言語はもちろん、その文化・習慣にも合わせたデザインや表現のWebサイトを制作しています。現地の文化・習慣にも合わせたWebサイトづくりは、海外進出を成功させる上で、とても大切なことです。それは、日本人にとって印象のよいデザインや表現が、そのまま、現地の人々にとっても印象がよいとは限らないからです。

 

つまり、国内サイトと同じデザインで、表現は日本語を直訳しただけ……という海外向けサイトは、大きな利益をもたらすことはないでしょう。また、これはソフト面の話になると思いますが、昨年より、クライアント企業の現地でのコネクションづくりや、現地パートナーの開拓に、「LinkedIn」というアメリカ発祥のビジネスに特化したソーシャルメディアを活用しています。

 

LinkedInの登録ユーザーは、現在、世界200カ国4億人超にものぼり、欧米のユーザーを中心に、企業のグローバルビジネスパートナー探しや、グローバル人材採用に積極的に活用されています。当社は、クライアント企業のLinkedIn運用を代行し、海外でのコネクションづくりや、海外パートナーの開拓をサポートしています。

 

なお、LinkedInは、海外で積極的に活用されているのとは対照的に、日本ではあまりメジャーではなく、国内では、当社が唯一、クライアント企業の海外進出支援にLinkedInを活用していると思います。

 

 

海外Webマーケティングにもとづいた明確な戦略提案ができる

―越境ECブームで同業他社が急増している中、御社のクライアントは、ズバリ、ジャパンコンサルティングのどの部分に魅かれたと思うか?

 

やはり、当社独自の「海外Webマーケティングにもとづいた明確な戦略提案」だと思います。当社へご相談されるクライアント企業の中には、「JETRO(日本貿易振興機構)、中小企業基盤整備機構や、他社に相談したけれど、実際に海外進出するまでのレベルまで煮詰めることができなかった……」というケースが結構あります。

 

JETROや中小企業基盤整備機構は、いずれも官公庁と関連のある独立行政法人ですが、現在、政府が「クール・ジャパン戦略」を掲げ、また、2020年に東京五輪を控えていることから、越境ECなど、海外進出に取り組む企業を積極的に支援しており、そのような企業からの相談を受け付け、アドバイスしたり、助成金制度を設けるなどしています。

 

もちろん、JETROや中小企業基盤整備機構は、企業からの相談にしっかりと対応されているはずですが、やはり、個別の企業レベル、あるいは、個別の商品・ブランドレベルで最適なアドバイスをするのは、なかなか難しいのだと思います。

 

一方、詳細なデータ収集・分析ができるWebマーケティングを強みとする当社は、個別の企業レベル、あるいは、個別の商品・ブランドレベルで、海外進出した場合の具体的かつ詳細なビジネスシミュレーションを行うことができます。

 

―御社の広範囲に渡るグローバルな実績の秘訣がよく分かりました。ありがとうございました。

 

 

オビ インタビュー

◉プロフィール

さとう・わたる氏

1972年生まれ。北海道出身。2008年、上場通信会社の取締役を退任後、バックパッカーとして世界40カ国を巡り、日本製品の需要と評価の高さを改めて認識。帰国後の2009年、企業の海外Web販売・販路開拓を支援するジャパンコンサルティング株式会社を設立すると同時に、同代表取締役に就任。企業の海外進出に関連するセミナーでの講演多数。

 

ジャパンコンサルティング株式会社_入り口

◉ジャパンコンサルティング株式会社

〒151-0051 渋谷区千駄ヶ谷5-21-12 代々木リビン7F

TEL 03-6380-4071

http://www.j-consulting.co.jp

 

 

 

2016年6月号の記事より
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