あなたの子孫をたくましく育てる方法【第1回】「全国の学習塾と共にISC留学netが挑み続ける日本を担う強い子孫の育成」
あなたの子孫をたくましく育てる方法【第1回】
全国の学習塾と共にISC留学netが挑み続ける日本を担う強い子孫の育成
◆大場規之(ISC留学net代表)
大場規之氏
静岡県の個別指導塾「和田塾」が運営する留学支援組織「ISC留学net」の代表を務める大場規之による連載コラム「あなたの子孫をたくましく育てる方法」がスタート。第1回は、「ISC留学net」が誕生した背景をもとに、未来の日本を担う強い子孫の育成に対する想いを語ります。
強い子孫を残すのは簡単ではない
鮭の産卵をご覧になられたことがありますか? およそ10年前の10月、場所は北海道の南西部、川幅は狭く、水の流れの幅はほんの1〜2メートル、水深もごく浅い小川を産卵を控えた鮭が上流を目指して登って行く姿を見たことがあります。そうした小川ですから、大きな鮭は背びれどころか背の上部まで外に出し、バシャバシャと音を立てながら小川を必死に上ります。1匹、また1匹……と。彼らは自分の子孫を残すために命を懸けて上流を、そして最高の産卵場所を探して登り続けます。
そして、必死に上り詰めた最後、〝ココ〟と思ったところに産卵をし、産卵後にはその名の通り尽き果てるのです。その小川には、実は同じ数だけ……なのでしょう、産卵を終えて傷だらけになって力尽きた体が、川の流れの中の石に引っかかっているのです。川を遡る鮭にその姿が見えているのか、またはそれに何か感じているのかはわかりませんが……。
子孫を残すという事は大変な事です。自らが犠牲になって、次の世代につなげてゆく。犠牲になる事を知りながら全力を尽くす。私も人間としてそんな一人でありたいと、その鮭の遡上を見ながらつくづく感じました。
翻って、自らが苦労をして育て上げた会社の後継を自らの子供たちに託し、更に繁栄に繋げてゆきたいという想いは、厳しい世の中と環境を生き抜き勝ち取ってきた者であればあるほど強いかもしれません。
しかし、現実的にはそうして自分の後を継ぐ強い子孫を育てあげるのは簡単でない事はもちろんです。私たちはどうすればよいのでしょうか?
私たち学習塾は、そうした願いを叶える役割を担うべきであると考えています。そうしたたくましい後継者を残すためには、学校教育だけでは不十分。今の貧弱な社会教育環境を加えても、もちろん不十分。
さらに加えて、自らの家庭教育を含めても、なかなか理想通りにはゆきません。そこで、コストをかけてでも塾・予備校や習い事などの学校外教育に依存しながら、厳しい社会を乗り越えられる強い子孫の育成を願うのです。
2009年、「ISC留学net」設立
アメリカの高校での授業風景
学習塾というと、ただ単に学校の成績を上げるために、算数や数学を教え、英語の文法を教え、日々のテストに一喜一憂し、ひたすら上位校への入学を目指して血眼になる……というイメージがあるかもしれません。もちろん、学習塾である以上、そうした、いずれ避けては通れない受験対策や、日々の成績アップのために様々な取り組みをしながら、常に上を目指すわけですが、5年前の2010年に本格稼働をした私たちのネットワーク「ISC留学net」では、少し違った視点で民間教育としての取り組みを実践し、いまその教育効果と、塾の生き残りという意味の両面で、少しずつ評価を得始めています。
ただ、今日のご評価を頂くまでには様々なハードルがありました。
「全国の学習塾をネットワークして、世界に子供たちを送り出す組織を作りたい。そして、日本全国津々浦々から世界に通用するグローバル人材を輩出したい」として、取り組み始めた頃の話です。
ISC留学netを通じて留学した日本人の高校生
私が、それまで35年にわたって蓄積してきた、学習塾が留学生を送るという取り組みを、全国の学習塾の皆さんに利用してもらいたいと思い、仲間の学習塾に「一緒に一人でも多くの留学生を送り出しましょう!」と声をかけると、「大場さん。気持ちはわかるし、応援をしたいのもやまやまだけど、今留学生が減っているんだよね? 我々はビジネスだから、マーケットが減少している所にあえて取り組むっていうのはちょっとねえ……」とのこと。
冷静に考えれば、本当にその通りなのでした。留学生数は当時、ピークの半分に減っていましたし、少子化による留学生数の減少傾向の継続は今後容易に想像できるものでした。そんな中、あえて、留学に関わる必要性を感じないというのは、塾事業者として当然のことでもあったのです。
しかし、外に出たがらず、外に出なくても今の幸せがずっと続くと思っている子供たち。そして、子供を傍においてむつまじく子と親の仲良し人生を送りたいと思っている親たちの増加を見ると、そうした、一般的な塾事業者の当たり前の考えを、「そうですよね」とやり過ごすわけにはいきませんでした。
私たち民間教育者として、一人でも多くの子供たちが、たくましく、この日本を支えてゆくためには、冷たい荒海である海外で鍛えられることが、〝どうしても必要〟と思わざるを得なかったのです。
なぜなら、日本にいて、〝不足の不足〟とも言われる恵まれた子供たちの環境で、親の庇護のもとに育っていたのでは、「たくましさ」を身につけられる環境が極めて少ないと感じていたからです。そして、学習塾に、こうした「たくましさ」や「生きる力」を育てる役割が、今は課されていると感じているのです。
その背景には、私自身の海外で鍛えられた経験があります。学生がまだひとりで海外に出るのが一般的ではなかった1980年の17歳でのアメリカ3カ月滞在に始まり、25歳からの海外駐在員としてのヨーロッパ4年半滞在など、さして能力もなかった私が、なんとか人並みに暮らしていられるようになるための、自らの成長の源となる原体験が、そこにはあったからです。
ISC留学netで留学についての相談を受ける高校生
そんなことから、「マーケットが縮小しているから留学には期待できない」という声にこそ、私の開拓者スピリッツは燃えたと言っても過言ではありません。つまり、「留学生が減っているからこそ、私たち民間教育者である塾が協力して、たくましいグローバル人材を輩出しようではないか!」、「インターネット社会で情報格差が大きくなり、実は生きた情報がどんどん得られにくくなっている地方の若者や親たちにこそ、安心できる留学環境を提供しよう!」といった点をアピールすることで、全国の学習塾事業者の中から、地域のグローバル人材輩出に貢献したいという仲間、そして、地方にそんなたくましい考えを持った子や親がいればぜひ力になりたいという仲間などが、少しずつ集まってくれました。
そして、設立から5年が経った2014年12月。全国47都道府県の全てに、学習塾が地域の留学生輩出に取り組む合計81拠点の「ISC留学net」のネットワークが完成したのです。
プロフィール
大場規之…1963年、静岡県生まれ。慶応義塾大学理工学部卒業後、大手計測機器メーカーに勤務し、フランス、ドイツを中心に欧州に駐在。帰国後、株式会社和田塾専務取締役に就任。
静岡県議会議員、建設会社取締役を経て、株式会社和田塾代表取締役に再就任。
ISC留学net 公式サイト
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