就活間近の学生にアンケート「あなたは何故中小企業を選ばないの?」
就活間近の学生にアンケート「あなたは何故中小企業を選ばないの?」
◆文:澤茂奈実 (やまとなでしこプロジェクト)
皆様こんにちは!「やまとなでしこプロジェクト」代表の澤茂奈実です。
1月に入り、寒さがぐんと強まってきましたね。草木は枯れ、山も静まり返ったようにしんとしていることを「山眠る」と昔の人は呼んだそうです。が、眠っていられないのが私たち就活生。今年は例年の12月から3月へと、大きく就活解禁(=企業の採用広報時期)が大きくずれこみました。今回は、そんなスタート直前の就活生30名に中小企業に対するイメージなどのアンケートをとってみました。
大企業志望が多数
今回アンケートに協力してくれたのは慶応義塾大学を中心に早稲田大学、東京理科大学などの就活を控える3年生30名。将来、中小企業に勤めたいと答えた人は30名中3名と、大企業志望の18名に比べ大きく遅れをとってしまいました。一方、「どちらでも」と答えた学生は9名。彼らの多くは、中小企業でのインターンシップ(企業が学生に対して行う職業体験)を経験していました。
インターンシップが学生の就職先を選ぶきっかけに
就職難といわれるご時世、彼らはどのように企業とコンタクトをとるのでしょうか。
就職する上で重要なポイントとなるのが、このインターンシップ。多くの学生は3年生(企業によっては1、2年生も含めて募集をかけているところもあり)が夏休みや春休みを利用して、マイナビ・リクナビなどの就職情報サイトや学事を頼りながらインターンシップを経験します。
実際に中小企業のインターンシップを経験した学生6人のうち、就職先を「中小企業」もしくは「どちらでも」と答えた学生は5人。
「会社の雰囲気を知り、ここで働きたいと意識するようになった」
「中小企業に対して持っていたイメージが変わった」
「入社してからどんな仕事をするのか具体的に分かった」
など、インターンシップを通していずれも肯定的な回答を得る事ができました。その一方で、中小企業へのインターンシップ経験がなく、大企業志望と答えた学生達は大企業の安定さを評価する一方、中小企業に対しては
「就職情報サイトでの情報が少ないから」
「やりたいことがない為、とりあえずネットに載っている企業を考えている」
など、インターネットでの情報不足を指摘する声が多く挙がりました。
給料よりも社内の環境を重視
では彼らは何を重視して就職先を選ぶのでしょうか。第一に挙がったのが「社内の雰囲気」(10名)、そして「やりがい」(9名)でした。普段の社内の様子や仕事内容、社員同士のつながりをありのままに知り、生き生きとした社員の方の姿を間近で学ぶ事のできるインターンシップが学生の就職先を選ぶきっかけになる、というのもこのアンケート結果から納得できますね。
また、意外だったのが「教育制度の充実」と回答した学生の多さ(6人)。中には「若い人間でも企業の中心となって活躍できる場がほしい」、「一人の社員としてきちんと扱ってくれる会社が良い」など、自分を高めてくれる存在としての企業を求めていることが分かりました。
働く面白さを経験
いかがだったでしょうか。今回協力してくれた就活生が中小企業に対して持つイメージとして、「専門的な技術が必要とされるのでは?」「具体的にどんな仕事をするのか想像がつかない」などの仕事面で不安をもつ声も多く寄せられました。仕事の「実感」をつかむ絶好の機会となるインターンシップは、単に仕事内容を知るだけでなく、自分はこの企業でどう働いていけるのか、そしてどういった将来のビジョンを描いていけるのかを学生に意識させる機会でもあります。
「やりたいことがない」「何になりたいのかよく分からない」。大学内で就職の話をすると、必ず誰かがこの言葉を発します。「まだ働きたくないから大学院行こうかな〜〜へへっ」なんていうザ・ゆとり世代も・・・。
「山眠る」から「山笑う」へ学生を変えるものは何なのか?もしかしたらそれは、給料や福利厚生よりもインターンシップをはじめとした企業とのコネクションなのかもしれません。
Twitter:@y__nadeshiko
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