Lady Panther（株式会社アイケイ）×ランサーズ｜実例で見るクラウドソーシング活用法⑤

★実例で見るクラウドソーシング活用法⑤

Lady Panther（株式会社アイケイ）×ランサーズ

◆文：関島慶太（ランサーズ株式会社）

企業の雇用形態、個人の働き方に革命をもたらしている「クラウドソーシング」。本特集では、国内最大級のクラウドソーシングサイト「Lancers（ランサーズ）」の協力を得て、実際に仕事を依頼した企業の事例を毎号紹介している。今号では、クラウドソーシングを活用して、新商品開発に見事成功した企業の事例を紹介したい。

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「企業は生き物」という言葉の通り、消費者のニーズが多様化して、環境への順応が欠かせなくなった現代社会。ヒット商品で売り上げを伸ばす企業も、単発的なヒットだけでは長期的な成長は保証されない。時代の動向やニーズの変化に柔軟に対応することが重要であり、この文脈で言えば、新商品の開発を恒常的に考えなくてはならない。とはいえ、新商品開発は企業にとって容易なことではない。消費者のニーズや市場の動向をしっかり読み取らないことには、ヒット商品を生み出すことはできないだろう。

クラウドソーシングは、企業の新商品開発に新たな風を吹かせている。今号では、女性向けエナジードリンク“Lady Panther(レディパンサー)”をはじめ、オリジナリティ溢れる商品で業界を賑わせているメーカーベンダー（※1）の『株式会社アイケイ』の事例を見てみよう。

※1 販売活動における、メーカー(製造者)とベンダー(販売者)双方の機能を一元化したビジネス。

「まさかのヒョウ柄！？」それが女性向けエナジードリンク“Lady Panther(レディパンサー)”のパッケージを目にした時の感想だ。この奇抜な見た目のエナジードリンクが、約20万本を売り上げるヒット商品になったのだが、実は貢献度が高いこの奇抜なパッケージこそ、ランサーズを利用してつくられているのだ。

このレディパンサー、商品企画段階からヒョウ柄のパッケージと決まっていたわけではない。女性向けエナジードリンクとして販売されることになっていたものの、当初はシンプルなパッケージデザインを想定していたとのこと。レディパンサーという商品名も、ヒョウ柄のデザインに合わせて後からつけられている。ランサーズで提案されたヒョウ柄のデザインのインパクトが、商品自体の方向性を変えてしまったのだ。

パッケージデザインを依頼したのは、株式会社アイケイの湯浅氏（写真左）。コンペ方式（※2）で、要望通りシンプルなデザインが並ぶ提案の中に、一際「異質な」ヒョウ柄があったとのこと。

※2 コンペのように、依頼に対して直接仕事を募集する仕事方式。

はじめ、男性目線では少々奇抜すぎる見た目から、「ヒョウ柄は違うかな」と考えたという。ところが、社内の女性社員にアンケートをとったところ、違うかなと思ったヒョウ柄が最も多くの支持を集めるという結果がでた。単に目を引くための奇抜さではなかったのだ。女性デザイナーならではの「こんなパッケージだったら飲みたくなる」という女性心理をついた提案だったのだ。「自分が良いと思うデザインが必ずしも消費者にとって魅力的ではないことを教わった」と湯浅氏は語る。

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今回の事例から企業は、新商品開発にクラウドソーシングがもたらす可能性を感じとれるはずだ。市場のニーズを読み取りにくい新商品開発の分野において、クラウドソーシングは仕事の依頼だけでなく、ヒントも与えてくれる。そこで仕事をする個人は、受注者であると同時に、未来の消費者でもあるのだ。企業の担当者目線では曇りがちな視界を、クラウドソーシングは鮮明にしてくれる力を持っている。

【取材協力】

●ランサーズ株式会社／〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-10-13 渋谷Ｒサンケイビル7F

http://www.lancers.co.jp

●株式会社アイケイ／本社分室：〒453-0809 名古屋市中村区上米野4-20　ＴＥＬ 052-459-0250　ＦＡＸ 052-459-5160

http://www.ai-kei.co.jp/home

◆2013年12月号の記事より◆

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