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会社の規模なんて関係ない!

新規顧客(取引先)開拓の秘訣とは!?

◆文:高山恵一 (株式会社エクレアラボ 代表取締役)

 

ビジネス 2人

新たに顧客を開拓したい、販路を拡大したい、このようなお悩みを抱えている経営者の方は多いのではないでしょうか?実際に、日本における中小企業の約70%が経営課題として「営業・販売力の強化」を挙げています。

 

※ご参考:http://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/c3_1213.pdf(日本政策金融公庫「2014年の中小企業の景況見通し」より)

そこで今回は新規顧客獲得のための営業・販売力強化の最も大切で、世の中に出版されている営業テクニック本ではあまり焦点を当てられていない手法を1つ紹介します。

 

まず、新たな顧客を獲得する一連の流れを見てみましょう。

皆様の顧客獲得活動においてこの流れの中で最も課題と感じているプロセス(箇所)はどこでしょうか?この流れの中でたいていの企業が注力しているプロセスが「見込客との出会い」の場を作ることです。ホームページに手を加えて集客力を高めたり、展示会に出展したり、あるいは自社主催でセミナーを開催したりなど様々な手を講じている会社を多く見てきました。

しかしそういった手を打ってみて、結果はいかがでしたでしょうか?皆様が望んだような受注や契約に結びつきましたでしょうか?

実は「見込客との出会い」よりも「ニーズの創出(喚起)」が最も大切なポイントであると私は考えます。

「見込客との出会い」は費用を投じれば一定の集客を見込むことはできます。しかし、受注や契約が出会いと比例して増加していくかというと決してそうでもありません。それは皆様が提供されている製品やサービスが出会った人のニーズや検討タイミングに100%合致しているわけではないためです。

 

では、どうすればいいのか?

その答えは「幅広い情報提供」と「適切なタイミングでの御用聞き営業」という営業活動が営業部門の有無に関わらず現代の企業活動には求められます。

情報提供と御用聞き営業で売れるのか?むしろ時代に逆行していないか?と思われた方もいらっしゃるでしょう。皆様ご想像のとおり、現代においては提案営業やソリューション営業をするべきと唱えられています。営業担当者個々人に目を向けた場合にはソリューション営業が出来ている人材はきっと皆様の営業部門にもいらっしゃるでしょう。しかし営業組織全体に目を向けた時にはどうでしょう。

つまり、ここで言いたいことは組織全体、すなわち会社として「幅広い情報提供」と「適切なタイミングでの御用聞き営業」を実践することをまずは目指そうということです。

 

では具体的に何をどのようにすればいいのか?

まず「幅広い情報提供」という点においては「出会い作り」によって得た名刺情報に対してツールや道具を使って、広く情報提供を行います。たとえばメルマガを週に1度送信したり、ニュースレターや●●通信(●●には会社の名前)といった紙媒体のマガジンを送付するといったことが具体策となります。ここで大切なことはその媒体の中で「弊社でこんな新製品をリリースしました」という情報を届けるよりも、「このようなお手伝いをさせていただき、お客様のお困りごとをこのように解決しました」という課題解決事例を届けることです。顧客が知りたいことは皆様の会社のニュースではなく、自分たちと同じ顧客が成功した事例だったり、悩みを解決した情報です。これを定期的に届けることです。これによりお客様は課題を持った時に「そういえばあの会社が送ってくれているメルマガに同様の課題を解決したと書いてあったな~」といざという時にアンテナを立ててくれるようになります。

 

この情報提供に「適切なタイミングでの御用聞き」を加えるとますますニーズ創出が容易になります。たとえば展示会で出会ったあるお客様に展示会翌日に電話をしたとしましょう。お客様「御社の製品はいいのだが、検討するとしても弊社の事情を考えると1年、2年先くらいかな」

と言われてしまうとほとんどの企業ではこのお客様へのアプローチが埋もれてしまいます。

これを6カ月、12カ月、18カ月、24カ月と定期的に御用聞き営業を実践することが大切です。そうすることでせっかくの見込客と出会いを逃さず新規顧客として獲得することが可能となります。これを組織的に実践することで、たとえスーパー営業マンがいなくとも営業組織全体の力が底上げされ、受注や契約数は増えること間違いありません。

 

「情報配信」「適切なタイミングでの御用聞き営業」を組織的に実践するために今、注目されているのがIT活用による営業支援です。展示会で出会ったお客様に一斉にメールを配信する、特定のお客様には1カ月、2カ月など一定期間、接触がない場合には担当の営業マンにアプローチ漏れをお知らせするといったことがITの活用により可能となり、営業担当者個々人の能力を補完していき、営業組織力を高めます。

 

皆様の会社の営業活動において、組織的に底上げが必要とされる営業課題はもしかしたらITによって半自動化できたり、人によるウッカリや漏れを防止できるかもしれません。

営業活動を楽しく、ラクにするために一度ご検討してみてはいかがでしょうか?

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プロフィール

ekurearabo

株式会社エクレアラボ

〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目18番20号 ルックハイツ新宿803号

代表取締役:高山恵一

TEL:050-5892-4754

http://ecrea.co.jp/

お問合せ:info@ecrea.co.jp

〈筆者メッセージ〉 「辛い」「厳しい」という声がよく聞かれる 営業活動において、ITを活用することで営業 効率・効果の向上をサポートしたり、経営者 やマネージャーの営業マネジメント力を補佐 することをお手伝いさせて頂いております。 これまで1000社以上の営業現場を見てきた経 験からITに限らず、戦略作りや営業テクニッ ク等、「営業に関する活動の改善」に関して 幅広くご相談に乗ります。

この記事はつなぐナビとの提携コラムになります。

2014年9月号の記事より
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