★実例で見るクラウドソーシング活用法③

ネジクル（株式会社ツルガ）×ランサーズ

◆文：関島慶太（ランサーズ株式会社）

企業の雇用形態、個人の働き方に革命をもたらしている「クラウドソーシング」。本特集では、国内最大級のクラウドソーシングサイト「Lancers(ランサーズ)」の協力を得て、実際に仕事を依頼した企業の事例を毎号紹介している。今号では企業が新しい挑戦を行う際に、クラウドソーシングの活用がもたらす効果について見ていきたい。

今回は、デザインについての事例を紹介しよう。昨今、変化する事業環境に合わせて従来と異なる分野で新たなチャレンジを始める企業が増えている。「クラウドソーシング」は、そういったケースにこそ使ってほしい。企業の挑戦には新たな人材や技術がつきもの。クラウドソーシングならそういったリスクは、最小限でチャレンジできる。実はこの企業も利用している……。BigLife21でも2013年９月号で取り上げた株式会社ツルガだ。 09_Lancers01

株式会社ツルガは長年、大企業へのネジのコンサルティングサービスを展開してきた。ネジと一口に言っても実に多種多様である。日常使う小ネジやボルトから、自動車や船舶に用いられる特殊ネジまで、ありとあらゆるネジを扱う。

同社は、それまで知見のなかったＩＴの分野において、新たにネジの通販サイト「ネジクル」を数年前に立ち上げた。

同社の社長・敦賀氏はネジクル立ち上げの理由として、コンサルティングサービスを取り巻く環境が時代とともに変化していったことを挙げている。競合企業が増える中で、思うように売上を伸ばすことが難しくなり、新たにＩＴの分野で挑戦することを決めたという。氏のこの挑戦は、今でこそ実を結んでいるものの、サービス開始当初は「サイトの雰囲気が硬い」「ユーザーへの情報伝達が円滑に行えない」といった通販サイト運営に求められる知見不足による問題にぶつかっていた。

そこで頭を悩ませた氏は、特徴的なイメージキャラクターをつくることで親しみやすい雰囲気を生み出そうと思いつくが、あいにく社内にデザイナーは不在。それまで制作系の仕事を依頼してきた企業への外注も検討したが、サイトのキャラクターデザインは重荷すぎると断れた。

そうして頭をかかえていたところ、知人からランサーズを紹介されたという。

実際にランサーズのコンペ式（※）を使ってキャラクターデザインを募集したところ、２週間で１００件以上ものデザインが集まった。大阪の企業なのでインパクトがあって面白いデザインをと、戦隊モノのキャラクターを選んだ。