実例で見るクラウドソーシング活用法② |スタディスト(Teachme)×ランサーズ
★実例で見るクラウドソーシング活用法②
スタディスト(Teachme)×ランサーズ
◆文:関島 慶太(ランサーズ株式会社)
インターネットを通して不特定多数のスキルを持った個人に、安価で仕事を依頼できる「クラウドソーシング」。その登場により、これまで人材不足や資金不足に悩まされてきた中小企業の仕事の在り方に、大きな変化が訪れている。前号に引き続き、国内クラウドソーシングサイト最大手「Lancers(ランサーズ)」の協力を得て、実際に仕事を依頼した企業の事例を紹介していく。
中小企業では、「デザインにお金をかけられない」「商品が良ければ自然と売れる」と、デザイン領域にお金を投じることが軽視されがちだ。
確かにロゴデザインひとつとっても、従来、デザイン会社への外注には平均数十万円のコストがかかっていた。これでは資金が潤沢でない中小企業が、デザインにお金をかけられるはずがない。
しかし、クラウドソーシングの登場で、そういった資金面の障壁を気にしなくてよくなった。株式会社スタディストの事例を紹介しよう。
※
同社は、個人が知っている多種多様な知識をサイト上で持ち合うサービス「Teachme」の開発を行っている。写真と文章によって簡潔に構成された「ステップガイド」と呼ばれるマニュアルを、誰でも簡単に作れる仕組みを用意して、集合知を体現したサービスをオンライン上に構築している。分かり易いマニュアル作りが想像以上に手間のかかる作業だと知る方にとって、いつでも、どこでも、簡単に知識を共有することができるTeachmeの革新性は、一度サイトを覗いてもらえば感じることができるだろう。
さて。そのTeachmeのサービスの特徴を象徴しているロゴがある。可愛らしい「フクロウ」で、すっかりサービスのイメージとして浸透している。このフクロウのロゴデザイン、実はランサーズを通してつくられたものなのだ。
つまり、従来では考えられない低コストで出来上がっている。
同社がランサーズの利用に至った理由は、やはり資金と人材の不足だった。開発当初の厳しい資金状況でも、サービスのイメージを決定づけるロゴデザインは胸をはれるものを作りたいという思いがあった。社内でデザインスキルのある人材もいなかったことから頭を抱えていたところ、知人からランサーズを紹介され、早速コンペ方式(※1)で依頼したそうだ。
※1/コンペ方式…コンペの様に、依頼に対してランサーズに登録する複数のクリエイターが提案を行う依頼方式。
「業務効率化と経費削減においては、ランサーズを利用する効果は大きかった」と、同社の鈴木氏(写真左)と庄司氏(写真右)は語っている。さらに、このフクロウは、単にサービスのロゴとして機能するだけでなく、Teachmeのサービス全体の世界観を補完することにもつながった。テキストだけでなく、キャラクターをロゴに取り入れたことで、サービスを覚えてもらうきっかけにもなったそうだ。
企業イメージを象徴するような特徴的なロゴが、最良の販促になることは言うまでもない。このように、ランサーズを利用するメリットは、資金に余裕のない中小企業にこそ発揮される。
※
今回紹介した事例から、中小企業は、デザインに投資することの重要性と、クラウドソーシングを活用してデザインをつくる効果を実感してもらえたのではないだろうか。社外のデザイナーに低コストで依頼できるだけでなく、提案される良質なデザインが、事業やサービスの未来を変えてくれるかもしれないのだ。
【取材協力】
●ランサーズ株式会社
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-10-13 渋谷Rサンケイビル7F
http://www.lancers.co.jp
●株式会社スタディスト
〒101-0047 東京都千代田区内神田2-11-4 内神田金子ビル6F
TEL03-6206-9330
http://www.studist.jp 「Teachme」https://teachme.jp/
◆2013年9月号の記事より◆
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