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銀行が見放さない資金繰りの方法

第1回「つの心がまえ

◆企業再生コンサルタント 小泉昌克(株式会社ササエル 代表取締役)

 

お金

私のところには、資金繰りが厳しくなった社長がいらっしゃいますその相談内容は、資金調達の裏ワザはないのか、とか、明日にも資金不足に陥るかもしれないから何とかならないのか、というものが少なくありません。

しかし残念ながら、そんな裏ワザもなければ、明日資金を調達することも、私にはできません。でも一つだけ言えることは、このような会社が今もなお事業を継続していけるという事実があるということです。

なぜ継続できているのでしょうか?

 

それは、ひとえに社長の経営の取り組み方にかかっています。
今回はその取り組みの前に、心に留めて置いて頂きたい「3つの心がまえ」についてお話をしておきたいと思います。

 

すべてを受け止め、他人に責任転嫁しない。

責任をだれかに転嫁することで、ストレスを解放しようとしても、良い結果は得られません。社員が動かない、金融機関が貸し渋っている、業界の景気が悪い、と言っていても何も変わることはありません。

それらすべてのことをまず受け止める。まずはそこから始めましょう。

 

資金調達がゴールではない。

お金が出ると、それで終わりではありません。ここからがスタートです。

でも資金が入ってくると安心してしまう、その気持ち、よく分かります。

しかしそうしていると借入のための借入、つまり赤字補てんのための借入になってしまい、結局その繰り返しが続いてしまいます。

資金調達の後が大事なのです。

不退転の覚悟で行動を起こす。

財務改善中は、役員や社員から、不満や苦言も出ます。

あるいは金融機関等から経費削減を求められることもあるでしょう。

もちろんこれらの意見を聞くことも必要ですが、最終的な決断・責任は、すべて社長にあることを忘れないでください。

その強い決意が求心力となります。

まずこの3点を覚えておいてください。

会社経営を精神論ですますつもりはありませんが、とても大事なところなのです。資金繰りを改善している間には、現実逃避をしたい、と思うこともあるでしょう。でも現実逃避をし、先延ばしにすればするほど、状況は悪化していきます。

 

すべてを受け止め、会社の未来像を描き、行動を起こす。

そうすることで、はじめて時間が解決しはじめてくれます。それは皆さんの身のまわりでも感じられることではないでしょうか。

少し説教くさくなりましたが、私も、このような経験を重ねて、現在があります。

私にできて、皆さんにできない訳がありません。さあ、一緒に安心経営を目指しましょう。

 

それでは、次号より具体的な銀行対策や資金繰りの考え方をお伝えしていきたいと思います。

 

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プロフィール

こいずみ・まさかつ…1973年北海道生まれ。企業再生コンサルタント。大手信用金庫・会計事務所、ベンチャー企業でのCFO(最高財務責任者)等を経て、株式会社ササエルを設立。金融機関・会計事務所・事業会社での三社三様の勤務経験を活かし、中小企業の「オカネ」の悩み、「ヒト」の悩み、そして社長の「ココロ」の悩み、を解決するために、日夜奔走中!

 

●株式会社ササエル

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