生成AIで「作業効率が向上」7割 ~FIXERが会社員にアンケート調査
企業向けクラウドや生成AI(人工知能)サービスを手掛けるFIXERは6月に、日本企業の社員を対象としたアンケート調査を実施した。調査によると、生成AIで「作業効率の向上を実感した」との回答が約7割に達した。実際に使っている人の大半が効果を感じていることが鮮明となった。一方で実際に生成AIを使っている人は2割強にとどまり、多くの会社員が新しい技術を活用していない実態も明らかになった。今後は企業の生産性向上などのために、具体的な生成AIの活用法が課題になる。
FIXERは企業向けクラウドシステムのほか、生成AI「Chat(チャット)GPT」などの安全性を高め、使いやすくしたプラットフォーム「GaiXer(ガイザー)」を提供している。調査はFIXERが全国の従業員300人以上の企業の社員を対象に6月6~7日に実施し、1000件の回答を得た。情報・通信のほか、金融・保険、不動産、流通・小売りなどの企業が対象となった。
アンケートで「生成AIを利用しているか」と聞いたところ、「業務または私用(あるいは両方)で利用している」人は23.6%に達した。新しい技術にもかかわらず、中堅以上の企業ではすでに一定数が活用に動き始めている。一方で7割近くの会社員は業務や私用でも使っておらず、新技術をいかすことができていない。
生成AIへの期待「文書のチェック」が6割
実際に活用している人に「生成AIで作業効率の向上を実感したか」と聞いたところ、「大いに実感している」と回答した人は21.2%だった。「実感している」とした人も47%で、実感している人の合計は68.2%にのぼった。生成AIを使ってみたいとした人に「具体的にどのような業務での効果を期待するか」と質問したところ、「文書のチェック」が60.4%でトップ(複数回答)。「文書の要約」が54.9%で続いた。
「情報収集」も48.4%と半数近くに達し、生成AIをネット検索サービスと同様の使い方をしている人が多いことがわかった。「アイデア出し」も45.8%と高い比率を占めた。生成AIに質問すると自分が想像していない回答をする場合もあり、新しいアイデアを得るために活用している人も多いようだ。このほか、「Excelの関数やコードの生成」、「企画書の作成」などの回答も4割以上に達した。
これまでのAI活用は専門的な知識が必要なことが多かった。しかし、生成AIは誰もが簡単に利用でき、文章をつくることができる。多くの仕事で活用でき、生産性を高められるとされる。少子・高齢化が進む日本など先進国では必須の技術とみられ、今後の普及のスピードに注目が集まる。