『上場企業M&A動向調査レポート(不動産業界版)』 コロナ禍でも不動産業に対する買収ニーズが増加〜M&A総合研究所
M&A仲介を手掛ける株式会社M&A総合研究所が、2020年8月から2021年7月の期間内で上場企業が適時開示したM&Aに関する発表の中から、「不動産業」の企業を対象にしたM&A(買収)案件を集計した『上場企業M&A動向調査レポート(不動産業版)』を発表した。
調査結果サマリー
2020年8月1日〜2021年7月31日の期間において公表された不動産業種の企業を対象にしたM&A(買収)件数は合計34件(前年同期32件、106.2%増)で、コロナ禍においても微増。その中でも、買い手が不動産業の企業である、同業種間のM&A(買収)の件数は17件(前年同期15件、113.3%増)となった。また、買い手が不動産業以外の、異業種間のM&A(買収)では、情報・広告業や娯楽業など含むサービス業種の企業によるM&A(買収)が2倍に増加した。
コロナ禍でも不動産業に対するM&A(買収)ニーズが増加
<不動産業の企業を買収した買い手企業(業種で分類)>
2020年8月1日〜2021年7月31日の期間において上場企業が公表した不動産業種の企業を対象にしたM&A(買収)の件数は34件。前年同時期における件数が32件であり、前年比106.2%と微増していることがわかった。買い手となった企業を業種別に見ると、「不動産業」が最も多く17社で、情報・広告業や娯楽業など含む「サービス業」が6社、「金融・保険業」が4社と続いた。
前年同時期の調査における買い手となった企業は、「不動産業」が15社で前年比113%と増加した他、「サービス業」が3社であったことから、前年比2倍に増加している。
サービス業を軸に多角的に事業を展開する企業で、不動産部門の強化や新規参入を目的としたM&A(買収)が増加
買い手が情報・広告業や娯楽業など含むサービス業の企業によるM&A(買収)の中では、留守宅管理や福利厚生運営代行、不動産事業など複数の事業を展開するリログループが日商ベックスグループ3社を子会社化した事例や、サイバーエージェントが不動産領域への参入、DX推進を目的として、スタートアップ企業やクリエーター向けにシェア型オフィスを企画・運営するリアルゲイトを買収した事例があった。新型コロナ禍においても業績好調な企業が自社の不動産事業の強化、新規参入を目的に買収意向を強めていることが考えられる。
取引総額ランキング
同社が発表した不動産業種の企業を対象にしたM&A(買収)の中で、成約金額ランキングを見ると、オープンハウスが投資用マンション事業のプレサンスコーポレーションをTOBにより350億円超で子会社化した案件が最も取引金額の高い案件となった。次いで中部電力が分譲マンションの開発やホテル、物流施設の開発などを手掛ける日本エスコンを第三者割当増資で子会社化した案件が204億円で2位、そして関西を中心とした総合不動産デベロッパーであるサムティが、ベトナムの住宅分譲事業会社であるS-VINを子会社化した案件が147億円で3位に続いた。
【株式会社M&A総合研究所について】
会社名:株式会社M&A総合研究所
事業内容:M&A仲介事業
本社:東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館 17階
代表者:代表取締役社長 佐上 峻作