株式会社ヒューマン・ナレッヂ 前田康秀|社長!5S活動は継続していますか?
社長!5S活動は継続していますか?
~「やらされている」から「やりたい!」へ~
◆文:前田康秀(株式会社ヒューマン・ナレッヂ 代表取締役)
5S活動(改革)でどんな効果を得られるのか?
今や5S活動は製造業だけではなく様々な業種においても取組まれております。
また、5Sは日本を飛び出し海外企業においても呼び名もそのままにゴエスとして活動されており、世界で通用する技術であることが証明されておりますが、5S(ゴエス)は、日本で生まれ日本の文化とも言える手法です。この手法を日本企業が実践成功させなくては何の意味もありません。
一般的に言われる5Sの内容とは、次の通りです。
整理…要るモノ・要らないモノを基準に従い捨てる
整頓…直ぐに見分ける・取り出せる・使用できる仕組みをつくる
清掃…日常清掃+点検で災害を防ぐ
清潔…3S(整理・整頓・清掃)の崩れない仕組みづくり
躾……企業・社内のルールを守らせる
5Sという言葉は、製造業ならばほとんどの方が知っていると思われます。または、「うちの会社で実践しているよ」という方も多いのではないでしょうか?
しかし、知っている・実践している会社の方々でも、効果が曖昧であったり、衰退してしまったり、中には取組むことすら止めてしまっている等、実際は継続が難しいと考えられている方も多いのが現状です。
何故、継続が難しいのか?
継続が出来ていない、出来なかった会社に話を聞くと、社長(管理側)も従業員(実践側)も5S本来の意味を理解しきっていないことが要因にあります。本来の5Sを語るには、奥が深く簡単に一言で表すのは難しいのですが、会社の継続・発展・再生には欠かせない重要な手法であることは言うまでもなく確かです。
5Sの流れをお話しすると、まずは教育(意識改革・5Sを知ること)から始まり、目で見えるモノへの改革、そして、そうした情報をもとにした生産ラインや流通の改革、最終的には人(人財形成)へと進んでいきます。その中で、コスト削減や在庫管理(削減)、仕事や生産性に関わる効果を発揮することとなります。
教育(意識改革)の重要性
5Sは、ただ単に5S活動を行なえば良いという訳ではありません。初めに、「何のために5S活動を行うのか」について理解することが継続を含めて重要になります(会社として、従業員個人としてのメリットを伝える)。
ここまでは、トップダウンと言われるところです。重要事項を理解させ、組織活動として目に見える所(整理)からコスト削減や会社内の問題点を抽出していきます。長年蓄積された悪い固定観念や会社の垢が多く出されることでしょう。通常では、この時点で一回目の会社利益向上が見込めます(単発の効果ですが)。
合理的生産性の形成
次に、組織的に必要なモノをいかに効率的にムダ無く使いこなす、または的確に情報を伝えられるか(整頓・清掃)を構築していきます。
まずは、整理・整頓・清掃の形として実践していきますが、最初にお伝えしたように「ただ行えばいい」のでは意味が薄れてしまいます。全てに、活動の目的・目標をきちんと設定し、方向性を乱さぬように社内で取決めた計画により推移することが重要です。
また、計画通りに全てが進むことは良いことではありますが、計画通りに進まないことが自社の問題点となります。計画は「隠せない方法を取る」ことも大切な役割になります。ここまでの取り組み方次第では、継続的な利益を生み出す仕組みが形成していくのです。
躾が重要な理由
5S活動を開始し、構築してきたものを継続させるポイントが躾であり、また会社の利益は必ず全従業員に反映させることで一人一人に「やる気」が芽生えます。そのためにも、「何のために」をしっかりと理解させることが大切になります。
一番の効果は、利益向上と考えがちですが、本当は従業員の「やる気」が大切であることを理解して下さい。「やる気の無い」従業員はミスも多く、会社の利益を人件費以上に食い潰していきます。5S活動(改革)を行うことで無意味な支出を無くし、その分この会社を支えている従業員にも適正な給料を与えることが、会社を円満に継続させるポイントでもあるのです。
人は、心に余裕が無ければ良い「知恵」など出てきません。
人は、健康でなければ「やる気」など湧いてきません。
人は、お金に余裕が無ければ「充実」した生活環境が作れません。
企業発展の為に良い人財を育てるには、「充実した仕事内容」(企業環境)が必要不可欠です。「やらされている」意識が企業を衰退させる原因ともなります。
私は、「やらされる」から「やりたい」と言う意識をもって行う活動こそが5S活動であり「ワクワク改革」であるとお客様にはお伝えしています。
次回は、各項目の実践事項を解説したいと思います。
●プロフィール
まえだ・やすひで…大学卒業後、東京建築資材メーカーを経て、ジット経営研究所㈱(経営コンサルティング会社)入社。全国企業の生産現場を中心に5S・ジャスト・イン・タイムJIT生産を習得。その後、北海道に渡り会計事務所に入社。税務会計の顧問先等へ5S・JIT方式の経験を活かし製造業をはじめ異業種での経験と実績を積み独立。現在、㈱ヒューマン・ナレッヂ代表として製造業を中心に様々な業種において5S・JIT方式による経営(現場)指導およびセミナー(研修)を行っている。
【5Sの正しい理解から実践指導まで(講義+成果報告+現場指導の一体型研修)「5S改革養成講座」募集中】
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