マーケティングコンサルタント 中原 浩司| 社長の、社長による、社長のためのマーケティング 「戦略がなければ会社はジリ貧だ!」
社長の、社長による、社長のためのマーケティング
第1回 戦略がなければ会社はジリ貧だ!
◆文:マーケティング・コンサルタント中原 浩司
突然ですが、『戦略』とか『マーケティング』という単語を聞くと、皆さんは何を感じますか?
おそらく多くの方が、自分達には関係のない「難しい」こと、「大企業にしかできない」こと、はたまた中には「市場調査のこと?」なんてお感じになるのではないかと思います。しかしそうした認識では、今後の経営に黄色信号が灯ります!
実は、マンパワーや資金に余裕がない中小零細こそ『戦略』をたて、『マーケティング』を行うことが重要なのです。ここでは、その重要性を皆さんにわかってもらえるよう、幾つかの事例をだして説明していきます。
『マーケティング』とは、見込み客を自社の営業の前に連れてくること。そして、その見込み客を集めるための仕組みを『戦略』と定義します。
【事例①】海外の経理システムを日本で販売するために立ち上げた日本法人の場合
●経理システムの販売価格→数百万円
●ターゲット顧客→一部上場の大企業
●問題点…顧客を絞り込んだのはよいが、そもそも東証一部上場企業数は約1700社。そのうち大企業は約1400社。たしかに利用事例としての大企業は宣伝効果抜群であり、とても魅力的である。しかし、たとえマーケットシェアを20%獲得できたとしても、価格設定にも問題がある。システム開発の粗利益はビッグネームの数社を除いては20%〜30%を取れれば良いほうである。マーケットシェアを獲得するにも時間がかかるであろうし、その他にも技術的な課題が残されており日本での本格的な活動にはまだまだ時間がかかる。遅れれば遅れるほど資金が枯渇してくる。早急に戦略を見直す必要がある。
【事例②】製造業かつ卸売業
もともとはコンパクトディスク及び関連製品(一部の製品)を製造・販売していた。起業した当時は米国で販売数が急激に伸び始めた時期であり、利益も十分取れたので会社は急成長した。しかし、2007年頃から販売数量は伸び悩み、かつ粗利益が激減。現在、CCFLと呼ばれている冷陰極蛍光ランプを取り扱い始めたが、製品自体の認知度が低く、宣伝広告に比して利益は少ない。
●問題点…コンパクトディスクに関しては製品寿命=プロダクト・ライフタイムの見誤りと市場撤退の時期が遅過ぎである、かつCCFLについては市場参入のタイミングが早過ぎるので利益を生むまでに時間と宣伝広告費がかかる。体力のない中小企業では避けたい事態である。
どんな商品にも旬があり、寿命があります。プロダクト・ライフサイクルをうまくつなぎ合わせてシームレスに企業活動を行うことで会社に体力をつけることができます。そのためには中期的なスパンで戦略を立てる必要があります。
戦略をミスするとどんなに頑張ってもジリ貧状態となります。そしてほとんどの企業には戦略がなく、現状のビジネスを維持するために日常業務をこなしているに過ぎません。
しかし、問題点を洗い直し、戦略を立てることで社員は決められた作業を行い、決められた期限までに決められた目標を達成する事に集中できます。また、結果も一目瞭然なので、マネージメントやスケジュール管理なども容易にできるようになるというメリットもあります。
このように、戦略を立てればムダなく企業活動を行うことができ、自動的に収益が生まれるようになり、収益が十倍二十倍に上がって行くようになります。結果として、社長がラクになるというわけです。
次回は、戦略を立てる上でいちばん重要な『商品』に関するお話をしたいと思います。
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【プロフィール】1961年和歌山県生まれ。1985年和歌山大学卒業。システム開発を9年、営業を7年経験した後、数名で出資して図面のデジタル化を請け負う会社を立ち上げる。5年後に退社し再独立。現在、マーケティング・コンサルタントとして活躍中。
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