公益資本主義推進協議会/会長 大久保秀夫
バブル崩壊以降、日本人・日本企業に元気が無いのは、皆さん違和感を覚えながらも米国型資本主義のルールで経営をしているからです。それは言うまでもなく、本来の在り方を忘れ、マネー・ゲームに陥ってしまっている、いろいろな面で限界が見えつつある資本主義だからです。また、アメリカを猛追する中国の「国家資本主義」に対しても、儲けるためならなりふり構わずというスタンスに、非常に大きな危惧を抱いています。
では、この経済を支える会社というのは、本当は誰のものなのでしょうか?
私は会社というものは、「社会の公器」であると考えています。すなわち「社員」のものであり、「顧客」のものであり、そして「株主」のものであり、「取引先」のものであり、「地域」のものなのです。
このようにステークホルダー全てを、社会全体を大事にすることによってのみ、企業は利益を永続的に得ることができ、結果として出資をしてくれた株主にも利益を返すことができるのです。
日本では古来、こうした考えに則って商売が行われていました。私はそういう本来あるべき経営の在り方にもう一度、しっかりと目を向けていくことが、いまこそ必要であると確信しています。
これから世界経済の中心となるべきは、米国型の株主資本主義でも中国型の国家資本主義でもありません。むしろ日本が発する、社会全体の利益を考える資本主義、「公益資本主義」であると考えます。
私は、こうした考えを日本、そして世界を変えていくための力としていくためには、「公益資本主義推進協議会」という組織を作り、公益資本主義に関することは全てこの場で議論をし、この場から発信するという仕組み作りをしていくことが必要であると考えます。
ご協力、よろしくお願いいたします。
現在、日本は子供たちが生きる力を失い、無気力、希望が持てないなど諸外国に比べて著しく悪い結果になっています。
漸く第一次安倍内閣で戦後容易に改革できなかった教育基本法を改正、「国を愛する心」を組み込みました。また、昨年四月から特別教科化された道徳教育が開始され「わたしたちの道徳」教材が各小中学校に配布されましたが、残念ながら副教材で、使用義務がないのです。国民大多数が道徳教育を願っているにも関わらず、学校現場では道徳教育が行われておりません。
この国を変える、再生するには抜本的教育改革が必要であると思います。教育の仕組みが依然として画一的であり、教育の多様性が必須であり、国民の幸福度や価値観が多様化する時代の中で、一人一人の子供がもつ様々な能力や才能を引き出し、生かしていく教育が求められます。
文部科学大臣として何としても教育改革を成し遂げる事が私の責務だと思います。
一般社団法人倫理研究所
丸山敏秋理事長
〈講演概要〉大転換期時代到来と倫理経営
人類文明の大転換期をわれわれが生きています。経済システムの転換も例外ではありません。グローバル化した資本主義は、マネーゲームの狂乱と著しい格差社会を生み、画一化による文化の破壊をもたらしました。
近代経済学の父と呼ばれるアダム・スミスは、道徳哲学者として人間を深く探究しました。しかしその後の世界経済は、人間の在り方や真の豊かさを問うことなく、功利・効率ばかりを追い求める方向で展開してきたのではないでしょうか。
その方向転換が求められているのです。「人の喜びを我が喜びとする」自他共尊の精神に立ち、あらゆる課活動が地球の安泰に結びつく経済システムへと。道は近きにあります。日本で育まれた公益を重んじる精神文化と自己革新に基づく倫理経営を探究し実践することが、未来を拓く鍵になるでしょう。志のある人の輪の広がりを願うばかりです。
株式会社フォーバル
公益資本主義推進協議会
大久保秀夫会長
〈講演概要〉公益資本主義
私は会社というのは、「社会の公器」であると考えています。すなわち「社員」のものであり「顧客」のものであり、そして「株主」のものであり、「取引先」のものであり、「地域」のものなのです。このようにステークホルダー全てを、社会全体を大事にすることによってのみ、企業は利益を永続的に得ることができ、結果として出資してくれた株主に利益を返すことができるのです。
日本では古来、こうした考えに則って商売が行われていました。私はそういう本来あるべき経営の在り方にもう一度、しっかりと目を向けていくことが、今こそ必要であると確信しています。
これから世界経済の中心となるべきは、米国型の株主資本主義でも中国型の国家資本主義でもありません。むしろ日本が発する、社会全体の利益を考える資本主義、「公益資本主義」であると考えます。
今後、経営者としてどのようにあるべきかのヒントをお伝えしますので、是非この機会に公益資本主義とは何かを掴み、学んでください。
イカリ消毒株式会社
黒澤眞次会長
〈講演概要〉社得が社格を創る「心の経営」
昭和15年、満州(現中国東北部)生まれ。昭和34年、創設のイカリ消毒株式会社入社。昭和37年、創業者急逝、兄弟で事業承継。昭和38年、戦後最大の百貨店火災事故を引き起こす。当時のオーナー堤清二社長の大恩に救われ、逆境をバネに一念発起、倫理との出会いから、朝飯前の時間を活用、82の資格取得。全社では4500の資格を有する専門家集団を創る。
①創業精神、兄弟愛和、社員家族を大切にする、「ファミリービジネス経営」の実践。
②倫理の教えをイカリの道標・指針として学び、〝社徳が社格を創る〟「心の経営」の実践。
③人の喜びを我が喜びとする人財を育て、「損得より善悪を先に考える経営」の実践。
④桜ふるさと運動など、地球環境・地域社会の発展に貢献する「社会の公器経営」の実践。
⑤常にお客様に、最先端技術・最新情報・まごころを提供する「変化適応の経営」の実践。
⑥「美しい街づくり」の具現化に向け、全社一丸で取り組む「環境事業経営」の実践。
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取材協力/株式会社リブラン
鈴木靜雄会長
本稿作成にあたって、株式会社リブランの鈴木靜雄会長からお話を伺った。
いたばし倫理法人会の直前会長、東京都倫理法人会・社会貢献委員長でもある同氏は、倫理経営・公益資本主義の推進に向けて、志を同じくする人達と連携して、数々のイベントをプロデュースし、また後援・共催をはじめ様々な支援を行うなど、縁の下の中心人物として尽力している。
東京都板橋区の不動産デベロッパーである株式会社リブランは、自然素材を使った住宅(エコヴィレッジ)や、音楽家向け遮音マンション「ミュージション」などの住環境志向住まいづくりで好評を得ている。中小企業でありながら、創業から50年間業界の改革に取り組み、過酷な住宅産業界で今日の同社を築いたのは、経営に利益主義や上場志向ではなく、社会や環境への貢献という「思想」を持って臨んできたためだと振り返る。倫理経営・公益資本主義も、そんな同氏の思想の大きな一部となっている。
『日本創生シンポジウム』
主催:東京都倫理法人会
後援:公益資本主義推進協議会
一般社団法人 倫理研究所
◎お問い合わせ先
東京都倫理法人会事務局
TEL:03-3239-4176