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M&A(親族外事業承継)で日本の経済を救済する!〜全国「虎ノ門会」レポート〈後編〉〜

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M&A(親族外事業承継)で日本の経済を救済する!

〜全国「虎ノ門会」レポート〈後編〉〜

◆取材・文:加藤俊 /撮影:鹿野内太一

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M&A(親族外事業承継)アドバイザリーのプロフェッショナル集団「虎ノ門会」。前号では札幌で開催された全国会の様子を紹介したが、今号は主催メンバー田中謙太郎氏、門澤慎氏のお二人に全国会開催の意図や今後の展開などをインタビューした。

 

 

―全国会、大変盛況なイベントとなりました。そもそも開催の意図は何だったのでしょうか?

 

toranomon2_02田中謙太郎氏

田中:これまで虎ノ門会は北海道から九州までの各地域で独自に事業承継に関する会合を開催しておりましたが、税理士・会計士を中心とする会員が全国で100名を越えたこともあり、いよいよ全国レベルで情報交換を行える段階になりました。

ただそのためには各地域間の会員同士で面識が持てる機会を設ける必要性が出てきたため全国会を開催致しました。実際に、会員の皆様から大変有意義な会であったと仰って頂いています。

主催者としても、ご多忙の先生方が遠くは鹿児島・福岡・熊本から遥々札幌までよくあれだけの人数が集まってくれたな、と。本当に感謝しております。

全国規模で一堂に集まれたことにより、実際に地域を越えての会員同士の信頼関係が醸成されつつあるようです。

 

門澤:事実、全国会後に地域を越えた交流は始まっています。全国会開催後には、北海道の会員が九州に仕事で出張した際、九州の会員にアポをとり情報交換をしているといった話など多数聞いております。

今までは地域単位の枠を越えることがなかった会員同士の交流が、目に見えて全国に広がっている。こうした意味で本当に意味のあるイベントを開催できたと嬉しく思っています。

 

 

―今後の展開は?

 

門澤:先日、虎ノ門会の一般社団法人化を行いました。今後の展開としては虎ノ門会のWebサイトを立ち上げます(http://toranomon-kai.com)。実際の案件を全国レベルで会員がやり取りできる環境づくりを年内に構築したいと思っています。

 

 

―社団法人化は会発足当初から考えていたのですか?

 

田中:当時は、想定しておりませんでした。なぜ一般社団法人化したかというと、一つは会員が100名を越えたので会員規則を整備する必要があったこと。

もう一つは、会員の先生方が事業承継の悩みを抱えているオーナー様に対して虎ノ門会とは何なのかを説明しやすいようにする必要があったことです。

また、中小企業の親族外事業承継にて一般的に行われているやり方(仲介方式)と虎ノ門会(売り手オーナー様のみへのアドバイス)の違いを外部へ説明・理解頂くためにも、Webサイトの開設や一般社団法人化が必要になったのです。

虎ノ門会は、あくまでも虎ノ門会の会員・事業承継の悩みを抱えているオーナー様のための組織であり、我々事務局は、その方々から色々な意見を集めてそれに応えていける組織となるべく企画の立案などをしていきたいと思っております。

 

 

―今後M&A案件数を増やすことを考えると会員数の増加も考えているのですか?

 

toranomon2_01門澤慎氏

門澤:闇雲に会員数を増やしていくことは全く考えていません。我々の考え方を共有して頂ける先生と一緒にやっていきたい。急いで大きくすることが良いわけではありませんから。

理念に賛同いただいた税理士の先生方とその顧問会社様の役に立つことが一番大事です。これをまずは徹底して守りつつ、無理のないカタチで会員数増加を目指していきたい。

 

田中:例えば、M&Aという言葉の考え方ひとつをとってみても、理念の共有が可能か否かが分かります。個人的には、中小企業の事業承継でM&Aという言葉が広く使われていますがこれには違和感を覚えます。

第三者に売却という意味でM&Aという言葉が使われるのでしょうが、これは親族外事業承継と言うべきです。売り手のオーナー様はM&Aがやりたいわけではなく、誰かに事業を継承して欲しいだけなんですから。

つまりM&Aという言葉は、買い手から見た言葉であり(実際、買い手企業からはM&Aをやりたいという言葉も良く聞かれます)、中小企業の事業承継の主役を売り手オーナー様と考えると、親族外事業承継という言葉が適切だと思います。

実際にM&Aは、Merger and Acquisition(合併と買収)であり、売却ではなく買収との意味です。

 

 

―この一年で参入してくる業者も増えているようですが。

 

田中:そうですね。業界が活発化することは望ましい流れです。一方で、色んなところで会合は立ち上がってはいるものの、中長期で見ると多くが立ち消えてもいます。

これは簡単な話で、定期的に何度か会合を開催していくうちに案件情報などが徐々に少なくなり、主催者に負荷が掛かるため、主催者が開催の招集をしなくなることにより会合が消滅してしまうのでは?と考えております。

虎ノ門会は、各会員の方々が自主的に開催しております。そのため幹事・開催場所なども変わります。我々は開催をサポートしているだけなのです。

 

 

―改めて虎ノ門会の使命とは?

 

田中:虎ノ門会は、現在業界で跋扈する事業承継の考え方を変えていきたいという思いを共有する者の集まりです。

売り手買い手の両手取引を平然と行い、自社の手数料のことだけを考えるというスタンスの業者があまりにも多い。この現状を変えたいのです。

虎ノ門会は、例え零細企業の親族外事業承継であっても、仲介取引を回避できる仕組みを考察しておりますし、会員が増えたことによりその仕組みも出来上がりつつあります。

 

門澤:そもそも民法では双方代理は禁止されている行為です。例外として当事者間が認める場合はできますよと明記されているだけなんです。

つまり、現在の大手事業者などのやり方というのは、その例外を利用して仲介をしている状態です。

売り手である事業会社のオーナー様はもちろん法律の専門家ではないので、そんなものか、といった感じで双方代理行為を受け入れている現状がありますが、結果的に売り手であるオーナー様が半ば泣き寝入りするような類の取引も多々見られます。

やはり、個人的には当然に仲介取引になってしまっているこの現状は健全ではないと思っています。

 

田中:また、買収企業側にあまりにも寄った仲介業者が実に多い。

買収側は継続してお客さまになってくれる可能性があるためそのようなスタンスに陥る気持ちは良く分かりますが、会社を畳みたくない、第三者に後を継いで欲しいというオーナー様の心情への配慮を怠ってしまうと(仲介者ではなく、アドバイザリーとして立たないと)、やがて業界全体に不信感が蔓延してしまう。

それはイコール第三者への事業承継が出来たにも関わらず、後継者が見つからないため会社を畳んでしまうことを意味し、日本経済にも大きな損失を齎します。

 

門澤:事業オーナーの方に言いたいのは、事業承継に悩まれていて、メインバンクや税理士の先生などから大手M&A仲介業者を紹介された場合、セカンドオピニオンというスタンスで構いませんので、我々虎ノ門会のような売り手側に立ったアドバイザリーの話も聞いてみるようにして頂きたいです。

そうすれば自ずとどの事業者の話が信用できるか見えてくるはずです。

 

―ありがとうございました。

 

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◎プロフィール

toranomon2_05田中謙太郎(たなか・けんたろう)氏…1974 年2月東京都生まれ。専修大学大学院卒業 後、東海東京証券株式会社にて個人営業、 法人営業、M&Aアドバイザリー部門、株式会社ドリームインキュベータにてM&Aアドバイザリー部門に在籍し、12年間M&A業務に携わり事業承継、事業再生、事業再編、クロスボーダーM&A、ファンド案件など数多くの案件を創出した。現在、一般社団法人虎ノ門会の代表理事、M&Aアドバイザリー部門を有する株式会社プルータス・コンサルティング、株式会社ICMGでのM&Aの外部顧問、税理士法人でのM&Aアドバイザリー顧問として、株式会社フォルテワン(九州最大の税理士法人アップパートナーズグループのM&Aアドバイザリー会社)、ビヨンド税理士法人、その他株式会社Sacco(ミンスタ運営会社)の顧問など数多くのM&A関連会社の外部顧問として活動中。日本証券アナリスト協会検定会員。

 

toranomon2_04門澤慎(もんざわ・しん)氏…1979年10月大阪府生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、マツダ株式会社、有限責任監査法人トーマツ等を経て、株式会社プルータス・コンサルティングに入社。ダイレクター、公認会計士として現在に至る。一般社団法人虎ノ門会理事、現任。

 

 

 

虎ノ門会Webサイトhttp://toranomon-kai.com

 

 

 

 

◆2016年10月号の記事より◆

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