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金子産業株式会社 × BigLife21

◆インタビュアー:加藤俊 /文:野村美穂

オビ インタビュー

金子産業 全員1

今回のゲストは本誌2014年11月号に「静かなる熱血漢が日本のバルブ業界を変革!!」という記事で登場頂いた、東京都港区でバルブ製造業を営む金子産業株式会社。スタジオに登壇頂くのは、沖野氏(写真左)、阿部氏(写真中)、崔氏(写真右)の3人。

(本校は動画を再編集し、一部を紹介するものです。)

「セーフティデバイスとして安全で穏やかな暮らしを守る」バルブ

加藤:御社について教えてください。

 

金子産業 沖野さん

沖野氏:弊社は大正8年に設立された創業96年になるバルブ製造会社です。弊社のバルブについては、「セーフティデバイスとして安全で穏やかな暮らしを守る」という明確な目的意識を持って仕事を行っています。

 

加藤:社員数や年商、バルブ業界における御社の立ち位置をお聞かせいただけますか?

 

沖野氏:社員数は約100人、年商は約25億円です。2013年より15カ年計画をスタートしていて、2028年には国内30億、海外30億の合わせて、60億円の売上を到達できるよう全社で取り組んでいる最中です。また、現時点でバルブ業界では、防爆電磁弁の分野において国内では業界第1位となっています。弊社のバルブは、設備の流体制御を行ったり、タンク内や配管への引火を防ぐデバイスとしましてフレームアレスタなどを取り扱っていて、石油プラントや化学プラント・電力関連プラント等へ供給させていただいております。

 

加藤:防爆って耳慣れない言葉ですね。御社のバルブは、どんなところで利用されているのでしょうか?

 

金子産業 崔さん

崔氏:防爆は、爆発を未然に防ぐ事を意味します。弊社のバルブは主に、化学プラントなどの特殊な環境下で使用されています。例えば、可燃性ガスが使用されている現場で可燃性ガスが存在しうる場所で弊社の防爆電磁弁を電気操作して火花などで可燃性ガスに引火しない構造となっているため、安全に使用できます。万が一の爆発事故につながるを原因を最小化することが期待されています。

 

加藤:バルブがないとどうなってしまうのでしょうか?

 

沖野氏:バルブがないと万が一の事態にプラントの運転を安全停止できないため、場合によっては大きな爆発事故となる恐れがあります。

 

加藤:想像するだけでも恐ろしいですね。バルブがお客様をまもる「セーフティデバイス」だと捉えられている理由がよくわかりました。

 

金子産業株式会社にしかできないこと

加藤:防爆においてバルブ業界第1位とのことですが、御社にしかできない強みを教えてください。

 

金子産業 阿部さん

阿部氏:バルブと一言に言っても、自動弁や安全弁、液面計やフレームアレスタなどいろいろな種類があります。この点で弊社は製造しているラインナップの幅が広いので、「お客様のニーズに合わせて、商品の適切な使い分けをご案内できること」が強みの1つです。

 

加藤:どのような使い分けができるのでしょうか?

 

阿部氏:例えば、「フレームアレスタ」というガスは通り抜けられるけれども炎や火花は通り抜けられないフィルタを備えた製品があります。お客様の環境によって想定される配管火災の状況は異なります。弊社は、その想定される状況によって金網、クリンプリボン、スリットという3種類の消炎素子を使い分けることができます。クリンプリボンの製造をしているのは国内では弊社のみですし、スリットは世界でも弊社のみとなっています。

 

加藤:世界で唯一というのは凄いですね。

 

阿部氏:金網、クリンプリボン、スリットの順で対応範囲が広くなるので、弊社のスリットは海外のお客様からもご愛用頂いています。とはいえ、スリットはサイズにもよりますが大きなサイズだと1台100万円以上という高価な商品ですから、万能だからと言って全てのお客様へご案内するわけにはいきません。

 

加藤:100万円!それは本当に特殊な環境で利用されるものなのですね。通常は必要以上にハイスペックなものを設置する必要はないですものね。

 

阿部氏:火災の種類や、水素対応の必要性によって使い分けます。金網タイプは安価ですが性能は低いため、配管火災には使用できません。配管火災については、音速(340m/s)よりも遅い速度の火災であるデフラグレーションは、クリンプリボンで対応出来ます。音速よりも早い速度の火災であるデトネーションの中でも、流体が水素でなければクランプリボンで対応できます。流体が水素である場合にのみ、一番高価なスリットをご案内致します。失敗が許されない、万が一の場合にお客様をまもるための安全装置ですから、きちんと見極めてご案内をしています。

 

中小企業ならではの強み

沖野氏:弊社には流体制御に関するお客様のいかなる要求に対してもイエスと答えて対応しようという行動指針があり、既存商品でニーズを満たすことができない場合には新たに開発してお客様の要望に応えております。多品種少量生産を武器に特殊対応を含め、お客様のニーズを満たすために営業や技術が連携して、長年の知見を活かした開発や製造をすることができます。

 

阿部氏:お客様の要望に応えるために、思い通りの結果が出なくて辛いことはありますが、試験結果後の「金子さん、これだったらいけるよ」とお客様から言って頂けたときの達成感は何事にも代えられません。開発担当である私たちが、構造検討から試作、試験検証、量産試作までの全ての過程に関われるのは弊社ならではだと思いますね。

 

崔氏:お客様に喜んで頂けたとき、お客様へ安全機器を提供できたという喜びがあります。自分が辛くても仲間が最後まで手伝ってくれることも励みになります。

 

加藤:今後、こんな人に入社して欲しいという人物像はありますか?

 

沖野氏:与えられた仕事を全力でやる熱意がある人に入って欲しいですね。会社としていろいろなことを教えながら力を発揮して頂いて、いろんな夢や目標を描いて欲しいと思います。

 

阿部氏:新規開発ということで華やかな印象を抱かれることがありますが、一つ一つの業務を地道にできる人が良いです。

 

崔氏:私もそうですが、弊社にはグローバルな人材が多いです。今後、今以上にベトナムなど海外へも拠点を広げていきますので、そうしたグローバルな展開を見越して、留学生など外国人の方にも入社を検討して貰えたら嬉しいです。バルブという形で世の中に貢献している非常にやりがいのある会社です。

 

加藤:今後の金子産業株式会社が楽しみですね。本日はありがとうございました。

オビ インタビュー

沖野史岳(おきの・ふみたけ)氏…1978年生まれ新潟県出身。湘南工科大学卒業後、2003年に金子産業株式会社に入社。開発センター次長として現在に至る。

 

阿部和臣(あべ・かずおみ)氏…1982年生まれ群馬県出身。東京工業大学卒業後、2011年に金子産業株式会社に入社。開発センター開発員として現在に至る。

 

崔判圭(チェ・パンギュ)氏…1983年生まれ韓国釜山出身。韓国のKYUNGHEE大学校卒業後、2010年金子産業株式会社に入社。開発センター開発員として現在に至る。

 

金子産業株式会社

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