次世代の産業を担う【中小企業】初めて明かされる秘話
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開業僅か数年で業界トップレベルになったプロ田中実氏に聞く 助成金活用マル秘テクニック

 

オビ 企業物語1 (2)

開業僅か数年で業界トップレベルになったプロ田中実氏に聞く

助成金活用マル秘テクニック

◆取材:加藤俊/文:松平敬志郎

オビ ヒューマンドキュメント

田中社会保険労務士事務所/株式会社帝王経営コンサルタンツ 田中 實氏 (2)

田中社会保険労務士事務所/株式会社帝王経営コンサルタンツ 田中実 (實)氏

経営者が知るべき助成金活用のコツとは?

先端技術の開発や事業育成を目的に経済産業省から交付される産業助成金を受け取りたくても選考条件が厳しく、どこか遠い存在に感じられる……ところが実際は、社会保険に加入していればどの企業でも受け取ることのできる助成金制度が存在している。

この点を調査すべく、2010年開業から僅か数年にして、社労士業界で知らない人はいないと言われるまでになった〝個性派〟先生の田中實(みのる)氏に、助成金活用のコツを聞いた。

 

社会保険加入企業の権利としての雇用助成金制度

厚生労働省では、適正な雇用を促進する観点から企業に対して助成金を交付し、身体障害者やシングルマザーに対してのセーフティネットあるいは被雇用者のキャリアアップ支援策として機能させている。

「厚生労働省からの助成金は、雇用保険に加入し、所定の要件を満たす企業であれば、個人事業も含めてほぼ100%適用されます。たとえばIT系企業の社員に発生しがちなうつ病に対しても特定求職者雇用開発助成金が適用され、うつ病と診断された新規雇用社員1名につき240万円が支給されます。ぜひ、中小企業経営者の方に助成金の存在を知っていただき、有効にご活用いただければと思います」と、田中實先生は力説する。

 

雇用保険などの社会保険制度への加入は法律で義務づけられているが、資金的な事情から加入していない中小企業が多いのが実情だ。

この点に関して田中先生は、「実際、社会保険に入っていないために年金事務所から調査が入り、従業員の国民健康保険滞納分を全額負担することになった企業は多い」と指摘する。一方で、社会保険制度への加入には正当な権利として助成金を得られるメリットもある。

 

「社会保険に加入することでそのリスクが回避できるばかりか、加入者の当然の権利として助成金も受け取れ、働きやすい職場としてのイメージも向上します。また、基本的に申請後3カ月で給付されることから、本来の目的から外れますが急場の資金繰りに活用することさえできるのです。これを活用しない手はありません」(田中先生、以下同)。

 

 

社会保険と経理総務の複眼志向で応える親身のアドバイス

約80種類ある厚生労働省主管の助成金。田中事務所では、この中から中小企業が使いやすいものをピックアップし、一覧表にして顧客企業に提案している。配慮の行き届いた助成金活用促進への取り組みには、厚生労働省の助成金手続きを専任業務とする社会保険労務士(以下、社労士)の職務を超え、中小企業の経営に対する熱い思い入れさえ感じさせる。

実際、田中氏は、名刺に「私のポリシー:困ったら、私に相談してください」と掲げ、助成金申請から経理や税務、資金繰りに関することまで、あらゆる相談事に親身に対応する。

 

「一般企業での総務・経理経験も長く例外的な経験も豊富で、さらに資金繰り関係や経理全般についてもスペシャリスト」

「何か解らない事が発生した場合には何でも質問できる相談相手として最適な方」

「リラクゼーションサロンを展開する当社では全店舗の運営の相談に乗っていただいており、何かあった際にはすぐに田中さんに相談できる体制が整っている」(株式会社ナチュラルボディズ様/田中社会保険労務士事務所HP「お客様メッセージ」より)とは顧客の弁。

 

実は、3万人の有資格者が存在する社労士業界だが、専業で食べることができているのは1割とも言われている。士業経営困難な時代に、田中社会保険労務士事務所では年間1000件相当の助成金申請を取り扱っている。これは業界に於いて、十指に入る規模である。

中小企業経営者の頼りになるアドバイザーとして支持を集める田中先生に、助成金制度を有効に活かす方法について語ってもらった。

 

オビ インタビュー

 

─なぜ経理や総務などの経営課題にも対応できるのですか

 

もともと学生の頃は税理士を目指していました。それで村田簿記専門学校で資格を取得し、総務経理として住宅設備のメーカーに入社したんです。ところが、暫くしてその会社の資金繰りが苦しくなりました。それで一介の社員でしたが、簿記一級などを取得していたことも有り、私が銀行からの借入金のリスケ(ジュール)交渉の矢面に立つことになりました。今にして思うと、このときの経験が大きかったです。究極の綱渡り状態、今にもショートしてしまうような資金繰りという切迫した経営状況の中で、会社が生き残るために様々な知恵を絞らなければならなかったのです。取引先や金融機関との交渉など実践的なノウハウが身につきました。

この経験があったから、経営が上手くいかないときの経営者の苦しみが身を持ってわかるようになりました。苦しいとき、経営者は何をしなければならないか。綺麗事ではすまない、生き抜くための知恵(サバイバル術)。これをアドバイスできるから、多くのお客様を得ることができているのです。

 

─社会保険労務関係の知識はどこで養われたのですか

 

その後資金繰りが好転して、新しい環境にチャレンジをしたくて転職したんです。そこで第一種衛生管理者の資格を取得し、領域が重複することから上司に社労士の資格取得を勧められました。それが契機となり、独学で1年間勉強して、合格と同時に独立開業しました。

しかし、社労士の仕事は非常に厳しい環境に置かれていますので、資金繰りや資格取得勉強と同様に独自の戦略を立てなければ生き残ることはできません。お客様に顔を覚えてもらうためにわざと服装をラフにしたり、配布するダイレクトメールにもお客様同士の紹介に結びつくポストカードを添えるなど、様々な工夫を凝らしています。

 

─そうした細やかな配慮が、お客様からの圧倒的な支持に結びついているのですね

 

通常、社労士は社会労務保険関連の手続きを代行するだけですが、先述したとおり、私は厳しい経営の修羅場を体験していますから、資金繰りが厳しくて社会保険に加入できない経営者の気持ちがよくわかるんですね。だから、「法律だから社会保険に加入するのは義務です」といった杓子定規な説得はしません。

助成金を活用できる社会保険のメリットから説明し、社会保険料を支払うための資金繰りの仕方、時には制度を活用した合法的な節税のノウハウまで柔軟にアドバイスさせていただきます。実際、当事務所の顧問契約料は他の社労士やお客様の顧問税理士の方よりも高めに設定されていますが、「田中さんは全方位に対応できるから」とお客様からもご満足いただいています。

 

─今後の社労士業界と田中事務所の方向性についてお聞かせください

 

これから士業ビジネスは一層厳しくなります。社労士業界としても資格所有者がきちんと収益が得られるように、せめて税理士並みの認知度とイメージを獲得するべく勉強会を開催し、私も講師として営業のノウハウなどを公開させていただいています。資格があるからと待ち構えているのではなく、お客様に積極的に価値を提供する姿勢へと転換すべき時代です。

当事務所でも本業以外の事業展開を目指し、整体リラクゼーションのお客様のフランチャイズとして店舗を運営する準備を進めています。これは、お客様にフランチャイジーの方が多いので、自分で事業展開することによって実践的な知見を獲得し、本業にフィードバックしていくことを狙いとしています。実業のために従業員を雇い入れれば、助成金も貰えますしね(笑い)。

 

─今後の社会保険の動向を踏まえ、中小企業経営者の方へのメッセージをお願いします

 

これは雇用の適正化を促す立場からではなく、経営を支援する立場として申し上げるのですが、経営者の皆様には、もっと労働基準法を勉強していただきたいと思います。たとえば、2015年10月からマイナンバー制度が導入されますが、これに先だって就業規則を再整備しておかないと、未払い残業代の請求など様々な問題が発生してきます。

人を雇い入れるということは責任を伴いますが、同時に社会に貢献する行為ですので、国からは当然に適正な助成を受けられます。その橋渡しをするのが私たち社会保険労務士ですので、今後、従業員の募集を増やすとか事業を拡大する場合には、是非、お気軽にご相談いただければと思います。

 

 

オビ ヒューマンドキュメント

田中實(たなか・みのる)…1973年東京都生まれ。1993年村田簿記専門学校卒業後、民間企業に入社。2010年社会保険労務士合格。同年田中社会保険労務士事務所設立。2011年株式会社帝王経営コンサルタンツ設立。2014年帝王グループ株式会社設立。

<著書>

田中社会保険労務士事務所/株式会社帝王経営コンサルタンツ 田中 實氏 (3)

『開業6ヵ月で確実に稼げるようになる社会保険労務士“スタートダッシュ”営業法』(同文館出版)

田中社会保険労務士事務所/株式会社帝王経営コンサルタンツ 田中 實氏 (4)

『ミスなく進める!給与計算の実務』(同文館出版)

田中社会保険労務士事務所/株式会社帝王経営コンサルタンツ 田中 實氏 (1)

『こんなにおもしろい 社会保険労務士の仕事<田中実 バージョン>』(中央経済社)

田中社会保険労務士事務所

株式会社帝王経営コンサルタンツ

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2015年9月号の記事より

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