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株式会社シンクスマイル|ゲーム感覚で絆を深める 「褒める」が「見える」と、やる気が出る!

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株式会社シンクスマイル ゲーム感覚で絆を深める める」が「える」と、やる気が出る!

◆取材:綿抜幹夫

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02_5smile02アイデアをカタチにする会社 株式会社シンクスマイル 代表取締役 新子明希氏

企業は行き詰まり、就活生は茨の道で迷ったまま。「仕事」がどんどんネガティブな概念になりつつある今、「仕事とは本来楽しいものである」との信念を掲げ、6期連続で増収の快進撃を続けている会社がある。そこにあるのは、本来見えにくいもの、評価しにくいものを巧みに可視化し、会社というチームの絆を深め、社員のやる気を引き出すオリジナルのシステムだ。今、大企業がこぞって注目するまったく新しいシステム「CIMOS」の発案者・シンクスマイルの新子明希社長に話をうかがった。

 

10の行動指針に基づき、
社員同士で「褒め合う」

ひとたびセミナーを開けば、名だたる大企業の部長クラスが相談に訪れ、取材はNHKやTBSなどのテレビ局をはじめ、新聞、雑誌、書籍からもやってくる。いま、株式会社シンクスマイルが発案した「CIMOS」と呼ばれるシステムが多くの人々から注目されている。

 

「ヒントはズバリ、リッツカールトンさんにあります。リッツカールトンさんは、全世界に4万人もの従業員がいて、チームワークでお客様を喜ばせることを楽しんでいます。私はかねてから、これは素晴らしいことだと思っていました。そこで、どんなメソッドを使ったらあんなことができるのか、聞きに行ったところ、あっさり教えてくれました(笑い)。

 

リッツカールトンさんには、クレドという、価値観を明文化したカードがあります。毎日朝礼をするそうですが、その際、『昨日の○○さんの行動は、クレドの8番に合致していますね』といったふうに、全員で確認し合います。ちょうどシンクスマイルも、『そろそろ社員が100人を超えるかな』という時期で価値観の統一が必要だと感じていた矢先なので、〝価値観の明文化と共有〟、これだと思いました」

 

新子社長は、自分たちに合うように巧みにアレンジし、その結果できあがったのが「10の行動指針」だ。「気は使うものじゃなく利かすもの」「先に与える、常に与える」「『行動(やる)』しかない」など、社員が共有すべき最も大切なバリューがまとめられている。

 

しかし、新子社長は単にリッツカールトンのやり方に倣ったわけではない。ユニークなのはここからである。例えば、朝礼の際に、全員でこの行動指針を唱和するようなことはしない(従来型の企業ならこれをやるだろう)。そうではなく、行動指針に則った社員の行動を、社員同士が評価し合い、しかもそれが一目瞭然に可視化される形を取ったのである。

 

「弊社では、社員の行動を20のカテゴリに分け、評価できると思った行動にバッジを与える仕組みを作りました。例えばAという社員がBという社員を見て、『きょうのミーティングで彼はいろいろな角度からアイデアを出そうとがんばっていたな』と思ったら、〝アイデアバッジ〟を贈ります。またCさんがAさんに対し、『チームワークを大切にした行動がすばらしい』と思ったら〝絆バッジ〟を贈る。良かった、素晴しい、と思う気持ち、要するに互いに褒めることを、バッジという目に見える形にしました。1つのカテゴリのバッジが10個集まるとメダルに代わり、その分野に特に優れていることがひと目でわかります」

 

社員のモチベーションをグンと引き上げるこのシステムには、重要なポイントがいくつかある。まず、評価は会社の上層部から下に与えられるものではなく、全員が全員に対して行う点だ。自分以外のすべての社員が自分の評価者であり、自分もまた他の人を評価する立場になる。ということは、与えられた評価には偏りがなく、逆に言えば言い訳ができない、ということにもなる。

 

また、評価は結果に与えるものではない、というルール。営業成績が良いとか、契約が取れたとか、そうした結果に対する評価にはまったく別の体系があり、CIMOSで問題にされるのは、あくまでその人がどんな価値観に合致した行動を取ったか、にある。

もう1点上げるなら、ゲーミフィケーションの視点だろう。楽しくゲーム感覚で社員全員がメンバーとして参加し、気が付けばしっかりとチーム(=会社)の価値を共有できる。また、人を評価する目も養われている。これがCIMOSの他に類を見ない独自性である。

 

 

「サービス・イン・ジャパン」で
ASEAN進出を

シンクスマイルの設立は2007年6月。日本初にして最大のお試しサイト「トライフィールコレクション」(通称トラコレ)の運営で会社は大きく成長してきた。

 

「トラコレは、お店と人をつなげるサービスです。主に美容室やエステ、ネイルサロン、飲食店などのサービス業の方々にご利用いただいています。お店が空いている時間だけお試しの枠を出してもらい、その空き時間を有効利用して、体験したいお客さんを呼びます。

 

会員さんは通常価格に比べて非常に安くサービスを体験できますが、その代わり必ずアンケートに答えていただきます。店の雰囲気、接客など10項目のアンケートですね。店側の視点に立てば、体験して気に入ったお客さんはリピーターになってくれるし、気に入らなくても、アンケートによってどこが良くなかったのか、その答えをもらえます」

 

現在、加盟店舗はおよそ1万店、会員数36万人を誇る。さらにトラコレは、Ziririと呼ばれるスマートフォン連動のポイントカードシステムともつながっており、継続性を高めている。これは、スマートフォンの中にお店のショップカードを差し込むことで、1回しか来ていない人、2回来た人、5回来た人など、顧客属性がわかる仕組みだ。トラコレとZiririがセットになることで、「お試しからファンまで」というストーリーが作れ、ファンを創造していく事業だ。

しかし、新子社長が見ているのはこのサービスによる収益だけではない。大切なのはその先だ。

 

「今考えているのはアジアへの展開。4年ほど前からベトナムにマーケティングで入っているのですが、ASEAN諸国では、今後10年で14億人くらいの中間富裕層が増えるといわれています。ベトナムやカンボジア、ミャンマー、マレーシア、インドなどには熱いマーケットがあります。トラコレの優良店にZiririのポイントカードの仕組みを入れると、店が儲かり出します。2店舗目、3店舗目を出そうとなった時に、『次はどこがいいと思う?』と聞かれます。『恵比寿に2店舗目のネイルサロンを出そうと思うんだけど……』なんて言われたら、100%止めますね。だって駅前だけですでに200店舗くらいありますから(笑い)。

 

それよりも、ASEANというホットな場所があることをお知らせします。でも、進出の際に様々なハードルがあります。ライセンスのこととか、オーナーが現地人じゃないとダメだとか。そこで、私たちを通せば簡単にサービスが出せますよ、というところまで持っていこうと思っているんです」

新子社長には、日本のサービスは今こそ必要とされるはずだ、との思いがある。

 

「かつてメイド・イン・ジャパンが世界を席巻しましたが、正直、製品競争力で日本は負けてきています。しかし、きめ細かいサービスは世界で高く評価されている。これからはサービス・イン・ジャパンで、しっかり外貨獲得です。『ニッポンをナメんなよ』ということです(笑い)」

 

 

良いサービスは、
良いチームからしか生まれない

こんなユニークな会社を築き上げた新子社長はまだ42歳の若さ。しかし、経営者としての経験はすでに20年を超えたベテランだ。それもそのはず、19歳で起業しているのだから。

 

「17歳の時に、3カ月かけてアメリカを一周しました。その際、たまたまMIT(マサチューセッツ工科大学)のオープンキャンパスで起業家セミナーをやっていて、『経営者は幸せの専門家である』というスピーチを聞きました。それが、なんかかっこいいなと思ったんです。高校を出て、これからはコンピュータができないとダメだと思い、専門学校に行ったりしたのですが、すぐ辞めて、19歳で起業してしまいました。代理店として、多種多様な商材の販売、とにかくずっと営業です。いかにモノを楽しく売るかを科学していた感じですね。今のCIMOSの原点になる理念に辿りついたのは、30歳を少し過ぎてからだったと思います」

裸一貫で世界へ飛び出し、まさしく一代で今の会社をここまで成長させた新子社長。取材の冒頭、いかにも新子社長らしい言葉を述べていたのが印象に残る。

 

「異業種交流会とかよくありますけど、積極的に参加したことがほとんどないんです。というのも、出会うべき人には出会うべきタイミングで必ず出会うと信じているからです。私は、こんな事業をやりたい、さてそれではどうやって人を集めるか、という順序でモノを考えたことがありません。『この人たちと何ができるだろう?』と考えます。人が先。良いサービスは、良いチームからしか生まれないと確信しています

 

新子社長が「褒めるコミュニケーション・プラットホーム」と呼ぶCIMOSは、そもそも自社の社員のモチベーションを上げるために開発したのだが、今ではシステムを導入したいと申し入れてくる企業が後を絶たないという。良いチームを作るためのビルディング・ツールとして、皆が活用したがっているのだ。

 

「いま、『仕事』と検索すると、『つらい』『やめたい』と、ネガティブな結果ばかりが目につきます。就活がうまく行かないのを苦に自殺する大学生が後を絶たないとか、完全に間違った方向に社会が進んでいます。私はなんとしてでもこれを変えたい。仕事とは本来、楽しいものであり、それこそが生きがいになるようなもの。私にも10歳の息子がいますが、彼が社会に出る頃には、日本にもっと良いチームと良い仕事、働きやすい環境が生まれることを願って、これからも活動していきます」

 

CIMOSはおそらく、これから様々な企業からマネをされるだろう。しかしそれこそ、新子社長の先見の明を証明することになる。その頃には新子社長とシンクスマイルは、もっと先の新しい風景を見据えているはずだ。

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●プロフィール

あたらし・はるき氏…1972年、大阪府南区生まれ。府立市岡高校卒。17歳の時にアメリカを一周し、起業精神が芽生える。19歳で起業し、多種多様な商材の販売に携わった後、2007年、株式会社シンクスマイルを設立、代表取締役として現在に至る。社員数は106名(2014年3月現在)。

 

 

●株式会社シンクスマイル

〒150-0002

東京都渋谷区渋谷1-14-16 野村證券ビル6F

TEL 03-6892-5100

http://5smile.com/

 

 

2014年5月号の記事より

2014年5月号の記事より

 

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