株式会社E-Style – 学習塾から美容塾まで多彩な事業を展開 その根底にあるのは唯一つ 沢山の人に喜んでもらいたい!という強い一途な理念だった
学習塾経営やフィナンシャルコンサルティング、システムコンサルティング、そして美容イベント主催など、多種多様な顔を持つ野英利香氏。
しかしその根底にあったのは唯一つ「沢山の人に喜んでもらいたい」という強い一途な理念だ。
学生時代からあふれるバイタリティ
株式会社E-Style代表取締役社長兼CEO・株式会社noerica代表取締役社長兼CEOの野英利香氏の扱っている業種は幅広い。
「株式会社E-Styleには学習塾『E-School☆』、フィナンシャルコンサルティング『E-Finance』、システムコンサルティング『E-System』、美容塾『E-Beauty♥』という部門があります。株式会社noericaは保険代理店として、各種保険を取り扱っています」
野社長は1981年生まれ。その外見からは、事も無げにこれだけの業種を切り回している豪腕経営者の姿は想像がつかない。
思わず口にしてしまった、大変ではないですか?という質問にも「カラダ、丈夫なんです」と微笑んでいる。
そのバイタリティの淵源はどこから来るのか。そこから伺った。
「小さい頃は白百合学園に通わせてもらっていました。その後日本大学に進学し奨学金とアルバイト3つを掛け持ちして学費と生活費を工面しました」
小さい頃は医師になりたかったという野社長。
様々な理由でそれは断念せざるを得ず、大学では理工学部に在籍し、物理学を専攻していたのだという。
また在学中に教員免許も取得したが、この時に教育を学んだ事が後に野社長の人生に大きな影響を及ぼす。
「空いた時間」が起業のきっかけに
卒業後はみずほ銀行系列のシステム開発の会社にシステムエンジニアとして入社、プライベートバンキングシステムや保険の窓口販売、投資信託のシステム開発や運用に携わった。その後プリンター製造を行っているT社に転職し、新規プリンターの開発部門で物理学の知識を活かした電気関係の開発に取り組んだ。
「その勤め先があったのが山形。そこでは退勤後に時間に余裕ができたのですが、私は手持ち無沙汰な時間がキライなので、その時間を何かに活かすことはできないか、と考えたんです」
そこで始めたのが、当時注目されていたブログによる情報発信だった。
「昔からコスメや美容には興味があったので、それについて毎晩ブログを書いていたら、ファンがだんだん増え始めて、そのうちに実際に会いたいという人も増えてきた。
それでみんなが集まって有益な情報を共有できる場があったらいいな、と思い東京で美容パーティーを開催したんです。そうしたら東京にできた起業仲間のおかげで70人規模くらいの大きなものになって。とても好評だった。
その後はしばらくお休みしていましたが昨年から再開しています。今後は500人くらいの規模でやりたいと思っております」
諦めた医師になりたいという夢。
その根底には多くの人の役に立ちたいという思いがあり、その現れが起業することだったという。
会社の歯車として働くのではなく、より多くの人のために活動できるように、会社を立ち上げること。
改めてその可能性を見出した野社長は、自分が今まで積み上げてきた経験・知識から事業としてできるものはないか、一つ一つ見つめ直していった。
「そこで、自分の知識を活かせることとして、家庭教師をしようと思ったんです」
厳しい教育業界でも自らの信念を貫く
学生時代、物理や幾何学が得意だった野社長は小中高校生の家庭教師を始めた。
「以来、今年で10年目になります。家庭教師を始めると、口コミで人気や評判が広がりテレビで『教え方のうまい家庭教師ランキング』1位に選んでいただけました。その後は学習塾という形にして子供たちを指導しております」
塾の経営が軌道に乗ると野社長は、一旦マネジメントを学ぶために日本生命のGLADという本社直轄の男性ばかりのコンサルティング組織に入る。
そこでマネジメントとファイナンスについて学んだ。
近年、教育業界を取り巻く状況は厳しい。
全国の小学生の総数は野社長の生まれた1981年度には119万人以上いたが、2016年度には半分近くの約63万人となっている。
しかし、学習塾の事業所の数は上昇を続けている。これには大学進学率の上昇も含め、教育への関心の高さを反映したものだが、対して学習塾への月謝の平均金額は2000年以降、ほぼ横ばいからやや下落傾向だ。
つまり各学習塾は少ない客を取り合うために価格を下げているということだ。
収益を減らしてでも集客を図る学習塾。
しかし月謝の安さを選ぶ理由の一つにしたという利用者は全体の僅か10%程に過ぎないというデータもある(『中学受験情報局、賢い塾の使い方』HPより)。
試験対策ではなく思考力を育てる指導
「利用者である生徒の親が何より重要視しているのは、その学習塾で学ぶことでどれだけ子供が変わるか、成績が良くなるかです。ですから私は成績を上げるのは勿論のこと、点数が上がってくるまでの過程もしっかりと親に伝えて成長を実感してもらえるようにしてます。
また弊社は少数指導方式にしていますが、これも生徒の一人一人に目を向け、力を注ぐためです」
野社長が教育の場で重視しているのが「学び方を教える」ということだ。
「学校で先生が教室の生徒全員に対して同じ話をしているのに、生徒によって理解度に差が生まれるのは、生徒が『学ぶ方法』を身につけていないからじゃないかと思います。
ノートの取り方や授業のポイントなど、できる子供は教えなくてもそれを知ってやっている。そういった点をピックアップして教えることで苦手な科目でも高い点数を取れるようになる。ですから成績が中くらいの子が上位になったり、苦手科目を得意科目にできたり。そうなれるお手伝いをしています」
テストで良い得点を取るためのテクニックや、人気のある講師陣を揃えるのではなく、子供が自ら勉強し成績が上がるような学び方を教える。
そうすることで自然に生徒の成績は上がっていく、と野社長は語る。
「そうすれば生徒は勉強への抵抗が無くなるし、先生も一度話せば理解してくれるようになるから授業が楽になる。言うなれば生徒の思考力を鍛えるように心がけています。
思考力を身に付ければ、その後社会に出ても自分の道を切り開いていける」
中学3年生以上の生徒には、学校での勉強だけではなく、フィナンシャルの知識や年金の仕組み、少子高齢化などの社会問題についても教えているという。
「社会問題など、親もハッキリ教えられないようなことも教えておかないといけない、とも思っています。子供たちが何の知識もなく世の中に放り出されて選択を迫られてしまう、ということをさせないように」
全ての事業の軸は〝人間教育〟
「生の授業の良いところは教科書には載っていない方法や、先生が付け加えて話してくれた面白い知識などが得られることです。それはただ板書をノートに書き写してるだけでは得られない好奇心や知識欲をかきたててくれるもの。そういうところに注目して、と生徒たちに教えております」
そう話す野社長は、教育は子供たちだけではなく大人にも必要だと訴えている。
「社会で生活していくためにはフィナンシャルやシステムの知識は必要不可欠ですが、それを独力で得られる人はあまりに少ない。ですからそのノウハウを伝えて、皆さんが現場でそれを応用し活用していってもらいたいと思っています」
以前システム改善を提案した会社では、50人いた部署を25人に削減することができたという。
その25人もクビになるのではなく、生産部門に回ることで更なる業績向上に貢献できた。
他にも人が3時間かかって入力していた作業をエクセルの機能を用いてボタン一つ、3分で終わらせられるものにした。
これも、空いた時間で別の仕事に取り組むことができる。生産性を向上させることができる。
「美容イベントも継続して行っています。これからは個人ブランディングの時代。
男女問わず、美しく自分を変えていくことはもっと大事になっていくと思います。メラビアンの法則にもあるように、第一印象でステキな人だ、と思ってもらえることによって仕事にも婚活にも生きてくる。どうせ自分なんか、なんて諦めてしまうのではなく」
だからこそ「全ての事業の軸は人間教育なんです」と話す野社長。
様々な事業を手がけている野社長だが、その源は沢山の人に喜んでもらい、そして成長していってもらう、という唯一つ。
「これまでは口コミだけに頼っていましたが、これからはもっと多くの人にこの思いを届けるために、事業を大きくしたいと考えています。今は、各事業を分社化・ホールディングス化し、5年を目標に上場を成し遂げたい」
人を本当に喜ばせるために、自分の知識をどう役立たせられるのか、を徹底的に考えている野社長。
その思いが、常に新しい道を切り拓かせている。
●野英利香
1981年生まれ。
白百合学園中学・高等学校を卒業後、日本大学理工学部。
その後みずほ銀行の系列会社、プリンター製造会社、日本生命GLADを経て、現職。現在も山形と東京を拠点に活動している。
●株式会社E-Style
〒222-0012神奈川県横浜市港北区富士塚2-24-5
Tel:090-7408-3267
mail:info@e–style.co.jp
●株式会社noerica
〒992-0027山形県米沢市駅前2-1-45(山形本店)
mail:noerica_info@noerica.co.jp