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知識・経験・人脈ゼロから始めた家具ブランド、株式会社KIJINの若き企業家の奮闘記

オビ 企業物語1 (2)

知識・経験・人脈ゼロから始めた家具ブランド、株式会社KIJINの若き企業家の奮闘記

株式会社KIJIN/代表取締役   石川玄哉氏

 

オビ ヒューマンドキュメント

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〈オーダー家具 一例〉品 名:ダイニングテーブル/材 質:ナラ材無垢(オイル仕上げ)/寸 法:幅185×奥行80×高さ70cm

 

 

家具が好き。その想いだけを頼りに脱サラ、起業へ

KIJINがコンセプトとしているのは「想いと時間」。親から子へ、人生の時間すべてに想いを込めて使い継ぐことができる、木のオーダーメイド家具を創っています。

 

ですが私自身は、もともと家具屋の生まれでも、職人志望だったというわけでもありません。大学では商学部専攻でしたし、卒業後にはその当時希望していた商社勤務を選びました。

そこは工作機械から家電まで広く扱う、いわゆる専門商社で、私は家具の商品管理を中心に担当していました。扱った商品は退職するまでの5年間で3000以上、仕事量としてはなかなかのものだったと思います。

 

肉体的にはずいぶんキツイ時もありましたが、不思議と会社に行くのがイヤになることは一度もなかったですね。

ちょうど土日と泊りがけで遊びにきていた友人に呆れられたことがあります。「日曜夜といえば、世間のサラリーマンは会社に行きたくないとうんざりするものなのに、なんでそんなに平然としているんだ」って。

もちろん私だって、他のサラリーマンと特別変わることはありません。労働時間は平均以上だったと思いますし、上司に怒鳴られて落ち込むこともあります。

それでも仕事が楽しみなのは、家具が好きだからだとようやく気づきました。

 

それまでぼんやりと曖昧な想いでしたが、一度火がついたら最後、自分なりの理想に向かって全力を尽くしたいという欲が出てきます。

ついに会社を脱サラして家具屋を始めようと決めたのは、2012年の年の瀬の頃、その時私は27歳でした。

 

KIJIN02_chair

 

ブランドのコンセプトや商品は、ずっと頭の中にありました。家具にはそれを創る職人や、一緒に暮らす人の想いがこもっている。

それを末永く使い続けることで、きっと人生は豊かで幸せなものになるはずだ。

この想いは、今とまったく変わりありません。

 

とはいえ、繰り返しにはなりますが、私にはオーダーメイドの家具屋をはじめるにあたって必要なものは一つも持ち合わせていません。

できることは一つ、自分なりにどんな会社を興したいのか、できる限り多くの方に話して協力を得ることだけでした。

 

「職人としての技術も、デザインも、営業経験も全部ない。それでも、家具屋になりたいんです」

 

巷にある交流会に片っ端から飛び込み、知り合った方のツテを当たって、ひたすら自分の想いを伝えていきました。成功のあてもない、まさに夢物語のような話ばかりだったと思います。

それでもがむしゃらに続けていく中で、私に賛同してくださる職人さんや経営者の方と出会うことができ、一歩ずつ着実に自分が目指す理想の家具創りを実現することができました。

ブランド立ち上げまでに交換した名刺は1200枚。この名刺1枚1枚が、今日に繋がっているのだと感じています。

 

 

ショールームも、専属での職人も抱えないオーダーメイドの家具創り

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KIJINオーダー家具が完成するまでの流れですが、お客様から家具のイメージをひとつひとつ私がヒアリングし、フリーランスの職人さんにお願いして創り上げています。

職人さんにお願いする時に伝えるのは、お客様のご要望やサイズといった必要最小限の情報だけ。細かいデザインや構造などの指定はしません。

 

社内雇用していないフリーランスの方に家具創りのほぼ全てを任せるのは、なかなか勇気がいることかもしれません。おそらく一般的な家具メーカーであれば、最低限図面を引いて指示を出すのがほとんどです。

でも、そういう仕事って職人さんに嫌われてしまうんですね。「図面通りに、寸分たがわず作ってくれ」とお願いすることは、すなわち「誰でもできる仕事」になってしまいますから。

 

特に私が依頼する職人さんたちは、ご自身で創りたいもの、やりたい事柄をはっきりと持っているからこそ独立したという方ばかりです。だからこそ、「その方にしかできない」ものづくりを「楽しんで」ほしい。

その結果として、良い商品が出来上がるのだと思うのです。

 

オーダー家具を注文されたお客様のリピート率が6割超と非常に高く、お客様同士の紹介やクチコミから業績を拡大し続けることができたこの3年間の積み重ねが、私の考えを証明してくれたのだと自負しています。

 

 

職人のクリエイティビティを大いに発揮できる場所として、KIJINはありたい

KIJIN_tie木製の蝶ネクタイ「チッペンデール」(セミオーダー商品)

オーダー家具ブランドを立ち上げて3年目となる今年、株式会社KIJINとして法人化することとなりました。今後はこれまでのオーダー家具事業にくわえて、空間そのものを創るお手伝いをしていきたいと考えています。

現在は不動産会社や内装店とコラボレーションし、空間デザインの提案からオーダー家具の製作、施工などにいたるまで事業領域の拡大に取り組んでいるところです。

職人さんとの関係についても、基本としてはこれまでどおりフリーランスの方にお願いしたいと思っています。職人さんのクリエイティビティを最大限に発揮できる場所として、KIJINはありたいですね。

 

 

 

 

オビ ヒューマンドキュメント

KIJIN_ishikawa●プロフィール

石川玄哉(いしかわ・げんや)氏…昭和60年生まれ。明治大学商学部を卒業後、株式会社山善に入社。量産家具の商品企画部門で3000以上の商品企画管理を担当する。2012年末に脱サラし、オーダーメイド家具ブランドKIJINを設立。「想いと時間」をカタチにするコンセプトがヒットし、着実に独自の世界観を構築している。

 

●株式会社KIJIN

〒104-0061 東京都中央区銀座4-5-4

TEL 03-5809-7464

(受付 10:00〜20:00/年中無休)

http://kijinwood.jp

 

 

 

◆2016年11-12月合併号の記事より◆

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