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株式会社トスマート – 大手企業も注目する食材洗浄剤が日本の食を守る!

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国産食品の安全性はもはや〝神話〟!?

大手企業も注目する食材洗浄剤が日本の食を守る!

株式会社トスマート/代表取締役社長 大竹 孝氏

 

オビ ヒューマンドキュメント

OLYMPUS DIGITAL CAMERA東アジア圏で2年間のうちに5万本を売り上げた食材用洗浄剤「クリナート」が現在、大きな転換点を迎えている。同商品の食品添加物としての側面に国内の食品産業関連大手数社が注目しはじめたのだ。

同商品を扱う株式会社トスマートの代表取締役社長・大竹孝氏に、国内販促に向けた戦略とこれからの展望をうかがった。

 

 

 

 

 

 

農薬使用量が世界第3位の日本

野菜や果物を洗剤で洗う、そんな話を聞いたら驚くだろうか。

日本で初めて台所用洗剤が発売された1956年当時、野菜に付着した寄生虫の卵が社会問題となり、厚生省(当時)は台所用洗剤で野菜を洗うことを推奨していた。

近年では、農作物の表面に付着した残留農薬や防腐剤などを除去する目的で食材用洗浄剤が販売され、家族の健康を気遣う主婦の間で支持を集めている。

東京の赤坂に本社を構える株式会社トスマートは、そんな食材用洗浄剤を主力商品として扱う企業だ。同社の大竹孝代表取締役社長は次のように話す。

 

「日本で売られている食材や食品は安心安全と思われていますが、スーパーの棚には外国産の生鮮食品がたくさん並び、一時期、毒入り餃子事件で世間をにぎわせた中国製の冷凍食品は今でも大量に輸入されています。

国産の野菜であっても残留農薬や防腐剤の問題があり、日本で売られているからといって一概に安全であるとは言えない状況があります」

 

事実、日本の農林水産物の輸入相手国として中国はシェアの13.8%を占め、アメリカの19.6%に次いで第2位である(農林水産省/2015年)。

また、意外と知られていないのは日本の農薬使用量の多さだ。耕地面積あたりの使用量を各国で比較すると、中国、韓国に次いで日本は世界第3位なのである(資料「Faostat 2013.8.4」)。

 

 

食の安全を確保するためには

国土の7割を森林が占める日本の農業は集約型の生産スタイルを特徴としている。そのため、耕地面積あたりで換算すると、どうしても農薬の量は多くなる。

いっぽうで、病害虫の被害がもともと少ない麦などの穀物を広大な土地で生産するアメリカなどは比較的低い数字となる。

こうした要因を差し引いたとしても、日本は高温多湿の気候の影響などもあり、農薬の使用量が世界的に見て多いのは事実である。

 

「1つの農作物を作るのに通常15~25回の農薬をかけていると言われています。これは国民1人あたりで年間約4キロに相当します。

野菜や果物に付着した残留農薬や防腐剤、そのほかの汚染物は水でさっと洗っただけでは除去されません。

また、日本の食糧は6割前後を輸入に頼っていて、これらの輸入品がどのように生産・加工され、どのような流通過程を経ているのか、消費者は知る由もありません。

このような状況下で食の安全を確保するためには、購入した食材の除菌・殺菌・汚染物の除去を自らが行うのが最善であると私たちは考えています」

 

 

中国での評判がきっかけに

tosmart_02同社が販売する食材用洗浄剤「クリナート」は、ホタテガイの殻を高温で焼成した純度97%の水酸化カルシウムで、100%天然素材から作られているのが特徴だ。

使い方は2リットルの水に粉末状のクリナート1グラムを溶かし、その水溶液を洗浄剤として用いるというもの。野菜や果物のほかに肉や魚介類、米の洗浄にも効果を発揮する。

 

「クリナートはpH 12の強いアルカリ性物質です。脂肪酸やタンパク質、油脂が混ざり合った汚れを洗い流すことが可能です。

さらに、石油などから作られる一般的な洗剤や石鹸と違って自然界にそのまま存在する無機物であるため、環境への負荷にもなりません。厚生労働省から食品添加物としての認可も得ており、口に入れても大丈夫です。

また、強力な殺菌、除菌能力があり、東京食品技術研究所で行われた大腸菌、サルモネラ菌の殺菌効果試験では、クリナート0.1%の溶液に10分間浸漬することで、これらの菌が100%死滅することが実証されています」(下図参照)。

 

プリント

 

2011年に国内向けに販売を開始した同商品であるが、最初に評判となったのは残留農薬や残留抗生物質など日本以上に食の安全性に懸念がもたれている中国であった。

今では中国やタイを中心に東アジア圏への輸出が売り上げの大部分を占めている。

 

「世界を見渡せば、衛生環境の悪い国はたくさんあり、それらの国では食中毒による死亡事故が数多く起こっています。2014年頃から東アジア圏でニーズが高まり、この2年間で通算5万本ほどが海外で売れました」

 

 

大手金融マンからの転身

ところで、同氏の経歴が意外なのである。同氏は野村證券出身で、カナダの五大銀行の1つであるカナダロイヤル銀行の日本法人社長を勤めるなど、長年、金融業界の第一線で活躍してきた人物だ。

そんな同氏がなぜ、食材用洗浄剤の販売を始めたのか。

 

「海外での生活が長かったのですが、日本にいるとき以上に海外では地球の環境問題に触れる機会がありました。

取り分け、地球温暖化は深刻であり、このまま温暖化が進めば、細菌が増え、食中毒の問題が必ず人類にとっての課題になるだろうと考えていました。

また、海外で売られている野菜と比較すると、日本の野菜は形の良い物を求めるあまり農薬漬けにされ、鮮度保持に走るあまり過剰な防腐剤処理がされ、収穫量増大のために過大な化学肥料依存に陥っていることがよく分かります。

日本で信じられている国産食品の安心安全は、実は神話に過ぎないのです。

金融業界を辞めたとき、知人からクリナートを紹介され、自分なりに食の安心安全に寄与できる事業が行えるのではないかと、当社で商品化することを決めました」

 

 

国内の大手企業から集まる関心

東アジア圏での売り上げを伸ばしてきた同社であるが、今年から次なる戦略として日本での販路拡大に力を入れているという。

 

「TPP(環太平洋パートナーシップ)協定により、今後、日本はより多くの食品を輸入します。そのため、食の安全に対する関心は高まるものと思っています。

また、衛生観念が高いとされる日本であっても、毎年のように集団食中毒のニュースがテレビや新聞で報じられています。

今までクリナートは個人消費者に焦点を当てて販売してきましたが、食中毒対策に取り組む飲食店など法人に対してもアプローチできるのではないかと考え、今年から食品産業関連企業を中心に広く食の安心安全を訴える戦略を取るようになりました」

 

実際に採用が決まったケース、取引先での試験段階に入ったケースなど、大手企業数社を含め、さまざまな交渉が現在、進行しているという。

特に強い関心を集めているのが「食品添加物として認可を得ている点、天然素材から作られている点、そして、酸化抑制効果で食材の鮮度が保持できる点」であると同氏は語る。

 

「クリナートを水に溶かすと水の酸化還元電位が下がります。そのため、クリナート溶液には食材を腐敗させたり鮮度を落とす酸化作用を抑制する効果があるのです。

さらに、クリナート溶液に浸漬したあとに濯がずに水気を取って保管すると、食材の表面にアルカリ性による微量のミネラルのコーティング効果が起き、菌類などの付着を防ぎます。

東京食品技術研究所においてレタスとキュウリの鮮度保持試験を実施した結果、クリナート0.1%の溶液に5~6分間浸漬したあと、冷蔵庫で保管すると、大幅に鮮度保持ができることが実証されました(下図参照)。

例えば、鶏肉をクリナート溶液に浸してから唐揚げを作ると、脂による酸化を防ぎ、とてもおいしく仕上がるんです。このことに着目した大手外食チェーンと現在、採用に向けた準備が進んでいます」

 

プリント

クリナート溶液による酸化還元電位の低下で酸化抑止効果。アルカリ物質によるミネラル効果で汚染物、菌類の付着防止。これらの効果で食材の鮮度を保持し、さらに汚れの除去、鮮度の保持、食材の細胞保護により旨みが再現される。

 

 

 

そのほかにも水産物の加工販売を行う企業との契約も正式決定している。具体的にはネギトロの製造におけるクリナートの使用である。

本来、マグロは酸化しやすく、すり身にすると短時間で黒く変色するため、スーパーで売られているネギトロには酸化防止剤など多くの食品添加物が使われている。

 

「ネギトロにクリナートを添加することで天然成分によって旨味と品質を保持することが可能になります。メーカーにとって1日日持ちするかしないかは大きな問題です。

消費者にとっても化学薬品を合成した添加物よりも天然成分のほうが安心できます。

企業、特に大手との交渉には時間がかかりますが、最近では少しずつ関心を示してもらえるようになりました」

 

 

日本の食の安心安全を守りたい

残留農薬や食品添加物が人体に及ぼす影響についてはさまざまな見解が存在する。賛否が分かれる理由は予防原則に立つか否かの違いに関わる場合が多い。

1992年の「環境と開発に関する国際連合会議」におけるリオ宣言では、人体への有害性に対する科学的な因果関係が証明できなくとも、深刻な被害の恐れがある場合には予防原則に基づいて対策に踏み込むことを求めている。

欧州において食の安全に関する規制が比較的厳しいのは、この予防原則に立っているためである。

 

tosmart_yasai「日本の食品加工業界ではカット野菜や果物、魚や卵に至るまで消毒・殺菌には次亜塩素酸ナトリウムが使われています。これは塩素系漂白剤を薄めたような物です。

法律で認められているからといって、何もかも安全で安心というわけでは決してありません。

今後は国内での販促に力を入れ、日本の食の安心安全に少しでも寄与できたらと思っています」

 

食は命であり文化である。それらを守る企業として、同社のこれからの活躍が期待される。

 

 

 

オビ ヒューマンドキュメント

●プロフィール

大竹孝(おおたけ・たかし)氏…1942年、福島県いわき市生まれ。福島大学経済学部卒業後、野村證券株式会社に入社。ヨーロッパ、アメリカ等での勤務を経て、同社カナダ支社立ち上げの責任者に就任。その後、カナダロイヤル銀行に籍を移し、日本法人社長などとして活躍。2008年に個人会社として株式会社トスマートを設立し、2011年から食材用洗浄剤「クリナート」の販売を開始、現在に至る。 特定非営利活動法人「ふるさとテレビ」顧問。

 

●株式会社トスマート

〒107-0052 東京都港区赤坂7-5-34-429

TEL 03-3224-0608

http://tosmart.jp 

 

 

 

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