◆文:冨田和成(株式会社ZUU 代表取締役社長兼CEO)

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今回からは、「ウェブマーケティング」をテーマに、これからの時代どこの企業でも知っておきたい今注目のマーケティングトレンドを紹介していきたいと思います。

近年、日本で注目度が上がっているマーケティング手法として「コンテンツマーケティング」が挙げられます。アメリカではすでにコンテンツマーケティングは一般化しており、日本でも2014年はかなりコンテンツマーケティングが導入され、実績を積み重ねています。2015年もマーケティング施策の中心として活用されると考えられます。

では注目が集まっているこのコンテンツマーケティングとは、実際にはどのような手法なのでしょうか。

 

■コンテンツマーケティングとは?

2014年10月1日、コンテンツマーケティング研究の先駆け的存在として知られる米コンテンツ・マーケティング・インスティチュート(CMI)が発表した「B2B Content Marketing 2015:Benchmarks, Budgets, and Trends—North America」によると、北米のB to B企業の86%がコンテンツマーケティングを活用し、38%が「効果がある」と評価しています。

コンテンツと聞くと、アニメやゲーム、キャラクターなどをイメージする方もいらっしゃるかもしれませんが、アメリカで導入されたコンテンツマーケティングはこれとは一線を画しています。ここでいうコンテンツとは、ユーザーにとって〝価値のある情報や体験〟を指します。そして、コンテンツマーケティングとは、ブログ、メルマガ、セミナー、動画などを通じて〝価値のある情報〟を配信することで消費者へ自然と購買行動を起こさせる関係づくりのことです。継続的にコンテンツを配信することで、ユーザーとの長期的なコミュニケーションを図り、顧客のニーズ喚起を図るのが特徴といえます。

つまり、商品を売るのではなく、顧客が必要としている情報を適切に提供し、商品への自然な動線をつくることで見込み客を満足させ、購買につなげるという手法です。

 

■コンテンツマーケティングを成功させるポイント

コンテンツマーケティングを実際に成功させるポイントは、どこにあるのでしょうか? 国内ではメガネ専門ECサイト「Oh My Glasses」が、ウェブマガジンを用いたコンテンツマーケティングに成功しています。ECでの購入に対して返品無料などの工夫を行うと共に、自社メディアに顧客を誘導し集客しています。うまくいっているポイントとしては、「SNS経由」にあります。タイムラインの中で流れる情報を自然に消費者の目に触れさせ、ファンが自主的に拡散をすることによって、集客や顧客の育成につなげているのです。

 

 

■コンテンツマーケティングの今後の課題

コンテンツマーケティングが国内でも拡大し、主流になっていくためには、今ある課題を解決していくことが必要となります。

まず最大の課題としてあげられるのが「コンテンツ制作」です。コンテンツ制作にはライターが欠かせませんが、質の高いライターは一握りしかおらず、クラウドソーシングで安価に大量生産しているのが現状です。これではコンテンツの品質面を担保するのは非常に難しいです。

また、企業側のリスク回避の意図が記事に反映しすぎることで、面白みもなにもない記事ができ上がってしまう点も課題といえます。また、効果検証をどのように行うかも今後の課題としてあげられます。

2015年、コンテンツマーケティングが盛り上がりを見せるかどうかは、これらのソリューションにかかっています。

 

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富田

筆者プロフィール/冨田和成(とみた・かずまさ)……神奈川県出身。一橋大学在学中にIT分野で起業。2006年大学卒業後、野村證券株式会社に入社。本社の富裕層向けプライベートバンキング業務、ASEAN地域の経営戦略担当等に従事。2013年3月に野村證券を退職。同年4月に株式会社ZUUを設立し代表取締役に就任。

 

 

【お問い合わせ先】 株式会社ZUU

info@zuuonline.com

2015年4月号の記事より
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