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原幸子四段 囲碁コラム 依田紀基九段 依田塾|中韓が覇を競う現在の囲碁界

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●○コラム○● 囲碁 依田紀基九段 依田塾

中韓がを競う現在の囲碁界

依田塾 塾長代行/原幸子四段

 

依田塾 塾長代行/原幸子四段原幸子四段(はら・さちこ)… 昭和45年東京都生まれ。昭和56年院生。昭和63年入段、平成3年二段、4年三段、11年四段。依田紀基九段は夫。依田九段が主宰する『依田塾』の塾長代行を務めている。〒102-0082 東京都千代田区一番町10-14 相模屋第二ビル4階 TEL/FAX 03-6272-6367 http://www.yodajuku.com/

世界戦で無類の強さを発揮した依田九段だが…

現在では世界中に広がりをみせる囲碁。そのルーツは中国と言われており、日本には古代に伝えられた。江戸時代には徳川幕府の庇護を受け繁栄。家元制度による激しい競争の中、飛躍的にレベルが向上した。20世紀に入ると呉清源をはじめ海外の逸材が続々来日。日本は囲碁界の中心地として君臨した。中国・上海出身で後に台湾に渡った林海峰や、韓国出身の趙治勲、台湾出身の張栩ら名だたる強豪は日本棋院所属の棋士だ。

日本は囲碁の国際普及に主導的な役割を果たしてきた。特に中国とは深い交流を重ねてきた。長らく中国を指導する側だったのだが、今や立場は完全に逆転、その背中が遠退いて行くのが現状である。この状況について原四段は、

 

「日本人は世界戦に勝てないと言われますし、確かに近年の戦績は、中韓に後れを取っているのは確かです。しかし、原因は単純に棋力の差だけとは言えません。日本のトップ棋士にとって、世界戦まで戦うのはあまりに負担が大きいんです。やはり国内のタイトルを争う方を優先せざるを得ない。主要タイトルの7番勝負を争っている合間に世界戦に出ていっても、なかなか集中しきれないという問題があるわけです。

何と言っても賞金額が違うので、プロである以上は賞金の高い方を優先するのは当然でしょう。それに、国内タイトルに賞金を出しているスポンサーに対しても、トップ棋士が出ないのは大問題ですから。世界戦を頑張れば頑張るほど国内がおろそかになって収入が減るというのは棋士にとって不幸な現実でしょうね」

しかし、依田九段は世界戦で数々の勲章を手にしており、外国勢と互角以上の戦いを繰り広げてきた。

 

「依田以降、日本人が世界戦に勝てなくなっていったのは、あるいは依田が特別だったのかもしれません。精神力だったり、あるいは相性だったり」

残念ながら、現在では日本で開催される世界戦がなくなってしまった。日本人が勝てないためか、スポンサーが国内戦にしかつかなくなってしまったためだ。

 

「中国や韓国などで戦うのは、やはりアウェーのハンデがありますよね。大陸での長い移動や、食事などもそうです。でも、中国や韓国の棋士にとって、それぞれの国内戦を戦うより、世界戦の方が賞金が高いのですから、当然必死に戦います」

もちろん、賞金だけが原因ではない。

 

「それに、世界戦に勝ったからといって、国内で何かしら優遇されることはないんです。大きな棋戦でシードされることもない。これではやはり強豪ほど海外へ出ていくのが難しくなりますね。しかし、そんな状況にあっても、去年井山6冠が日本勢8年ぶりとなる『テレビ囲碁アジア選手権戦』優勝で、日本棋士の実力を世界に知らしめました。日中韓三つ巴の時代に入るのかもしれませんね」

 

中韓が強くなったのには理由がある

06_Yodajuku01日本と中国、韓国の立場が逆転したのには理由がある。

中国では、正式なプロ制度ができたのが20世紀後半、中国棋院の設立は1992年とごく最近だ。中国全国体育総会の下部組織で、その中の『国家チーム』とも呼ばれるエリート集団に入れなければ世界戦に出場することは難しい。国家チームの棋士は中国棋院で苛烈な競争を勝ち抜いてきた。もちろん、子供たちは周辺の道場などで猛勉強しながら国家チーム入りを目指す。北京などの大都市に棋士が結集して競い合う構造が若い才能を開花させている。

そもそも基礎となる子供たちの数が桁違いに多い。すそ野が広ければ頂が高くなるのも道理と言うものだ。
一方韓国では、『兵役免除』という大きな特典が強さの源という側面がある。
韓国の男性は18歳で徴兵検査対象者となり、19歳までに検査で兵役の判定を受けなければならず、30歳までに約2年間の兵役が義務付けられている。この兵役が世界戦で実績を上げると免除されるわけだ。朴永訓、李世ドルらが免除を受け、これが若手の励みとなっている。

だが、日本にも期待は大いにある。

 

一力遼三段(16歳)や藤沢里菜二段(15歳)のような若手が台頭してきています。日本の囲碁界も世代交代が一気に進むかもしれません」

若い力が、再び日本を世界トップに押し上げる日もそう遠くないかもしれない。

◆聞き手:小川 心一

 

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「とにかく主人はびっくりするくらい何もできないんです。例えばガスコンロの火が消せない(笑い)。新婚当初は、私も急に仕事は辞められなかったので、地方に行くこともあったのですが、それでも新婚なんだから家事をちゃんとやろうと思っていました。主人が困らないように料理を作って、あとは温めるだけにして出かけるわけです。

で、帰ってみるととりあえず無事に生きてはいるんですが、ひげは伸び放題、ビール缶は散乱し、なんとガスコンロに火がついたまま。消し方がわからなくて何日か火が出っぱなしだったそうです。

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