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ビットコインやロボアドだけが「フィンテック」ではない

オビ コラム

ビットコインやロボアドだけが「フィンテック」ではない

◆文:一村明博 (株式会社ZUU)

ZUU201606

 

「金融(Finance)」と「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた造語、フィンテック(FinTech)。前回は、フィンテックが最近生まれた動きではなく以前から存在していたこと、個人の暮らしや企業の経営をITによって便利にしようという考え方で、誰にでも関係があるということをお伝えしました。

 

フィンテックと言っても種類は様々で、よく挙げられるのは、ビットコインやロボアドバイザー、クラウド会計などがあります。今回は各分野について簡単に見ておきたいと思います。

 

まず有名なビットコイン。「仮想通貨」(暗号通貨)の一種で、ほかにもリップルなどいくつもあります。法定通貨(日本円や米ドルなど国による保証があるお金)と違って「国の保証がない電子マネー」のようなものです。

 

「投資・資産運用」分野では、ロボアド(ロボット・アドバイザー)という自分に合った投資先を選んでくれるサービスが注目を集めています。海外で有名なのがウェルスフロント、日本にもお金のデザインが提供する「THEO(テオ)」、エイト証券の「8 Now!(エイトナウ)」などがあります。

 

「決済」は「送金」と密接に関わっています。これまで、誰かにお金を送る際は銀行を経由することが一般的でしたが、最近では銀行口座がなくても、個人同士でもお金を送り合うことができます。ペイパル、LINE Payなどが知られていますが、Yahoo!もつい最近、個人間送金アプリを提供開始すると発表しています。

 

「個人資産管理」はPFM(パーソナルファイナンシャルマネジメント)とも呼ばれます。家計簿アプリとしてZaim(ザイム)、マネーフォワードなどが知られています。

 

法人の「財務管理・会計」サービスは、freee(フリー)の「クラウド会計ソフトfreee」、マネーフォワードの「MFクラウド会計・確定申告」など、中小企業や個人事業主が、コスト削減のために導入しています。

 

「レンディング」は、お金を借りたい人と貸したい人をマッチングするサービスで、「クラウドファンディング」もその一種です。直接金融、間接金融に次ぐ「第三の金融」としても注目されています。

 

また「金融情報サービス」の分野では、企業・業界分析のための情報プラットフォーム「スピーダ」を提供するユーザベースがあります。私が所属するZUUも金融ウェブメディア「ZUU online」を運営しているほか、投資判断を容易にするサービス「ZUU Signals」を提供しています。

 

主にスタートアップを中心とした比較的新しいサービスを紹介しましたが、これらだけがフィンテックという訳ではありません。インターネット証券やネットバンクも「金融×IT」サービスですし、メガバンクや地方銀行、生損保といった従来型の金融機関も、新しいテクノロジーやサービスの導入に積極的です。

 

フィンテックについては一部で、「銀行の破壊者」といった形容をされているようです。たしかに銀行口座なしで送金ができるサービスなどは銀行にとってはありがたい話ではありません。

 

ではなぜ、銀行をはじめとした従来型の金融機関がこうしたフィンテックサービスに目を向けているのでしょうか。それは、フィンテックが「ICT」の根幹を担う発想に基づいているからです。情報通信技術の総称であるICTですが、中でも「C=Communication」の部分にこそ、フィンテックは威力を発揮します。

 

どんなに画期的、先進的で便利なサービスをITのチカラで生み出しても、それが利用する個人や消費者に届かなければ意味がありません。

 

銀行や証券会社といった多くの顧客を抱える金融機関が作る顧客向けのWebサイトやアプリ、そこで披露する役に立つ投資情報や、金融に対する卓越した知見は、顧客が利用して始めて価値が生まれるからです。

 

お金に関する便利な情報やサービスを提供する側と、利用する側。その間を埋めるコミュニケーションの質を高めることができるのもフィンテックのチカラであり、存在意義なのです。

 

オビ コラムZUU 一村氏

筆者プロフィール/一村 明博

東京都出身。成蹊大学法学部卒業。1993年、大和証券入社。富裕層や中小企業オーナーを主な顧客とする個人営業に従事し、常に全国トップクラスの営業成績を残す。入社3年目には全国NO.1を獲得。その後、2001年に松井証券入社。2004年、最年少(当時)で同社営業推進部長、そして2006年には同社取締役に就任。

高度かつ専門的な知識が必要とされる金融業界において20年以上にわたり500人以上の部下を育てた人材育成のプロフェッショナル。

〈お問い合わせ先〉 info@zuuonline.com

 

株式会社ZUU

http://zuu.co.jp/

東京都目黒区青葉台3-6-28 住友不動産青葉台タワー9F

 

 

 

◆2016年6月号の記事より◆

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